「Lightning(ライトニング)」はAppleが開発した独自の接続コネクタです。
iPhoneやiPad、iPodなどのApple製品に積極的に導入され、特にiPhoneでは2012年発売の「iPhone 5」から2020年発売最新の「iPhone 12」まで、幅広い機種でLightningコネクタが採用されています。
このように長く採用され続けていることから優秀な規格であることは間違いありませんが、一方で「Lightningは壊れやすい」「ケーブルがすぐ壊れた」という声をiPhoneユーザーからはよく聞きます。
なぜAppleはiPhoneにLightningを採用し続けるのか、これから先iPhoneのLightningが廃止されることはないのか、などiPhoneとLightningコネクタにまつわる解説を行っていきます。
iPhoneに採用されているLightning(ライトニング)コネクタは「iPhoneの充電」と「iPhoneと周辺機器の接続」などの有線接続に使われる接続端子です。
iPhoneは「ケーブルでの有線充電」と「ワイヤレス充電」と2種類の充電方法を選べますが、iPhoneを充電する際にはケーブルをiPhoneに差して充電している、という方が多いのではないでしょうか。
Lightningの特徴、長所と短所を説明していきます。
◆Lightning(ライトニング)の長所
・リバーシブルで、表裏を気にせず使える
・非常に小さく、端末の厚さを薄く設計できる
・耐水性能に優れる
・メンテナンス性に優れる
◆Lightning(ライトニング)の短所
・耐久性が低い
・ショートしやすい
・ケーブルが抜けやすい
Lightningコネクタは耐水性やメンテナンス性に優れますが、一方で耐久性が低く故障しやすいといわれています。
iPhone修理ダイワンテレコム梅田店においても「iPhoneが充電できなくなった」「充電ケーブルをさしてもバッテリー残量が増えていかない」などの症状でiPhoneを持ち込まれることは多く、おおむねのケースで故障したコネクタ部品を新品に交換することで症状が改善しています。
また、Lightningケーブルは金色の端子部分が外側に向いており、むき出しになっていることがショートの原因となりやすくなっています。汚れや水分がケーブルに付着している状態でiPhoneの充電を行うことなどで、ケーブル自体やiPhoneのLightningコネクタ故障の原因となります。
画像:PAKUTASO
iPad Pro(2018モデル)以降に採用されているUSB-Type C
iPhoneにはLightningが採用され続けている一方、iPadは2018年発売のiPad Proからは別規格の「USB-Type C(USB-C)」という規格に早々に切り替わっています。
なぜiPhoneはUSB-Type Cに移行することなく、Lightningを採用し続けるのでしょうか。
Apple関連の著名なアナリストMing-Chi Kuo氏が、iPhoneがLightningの搭載を続ける2つの理由を説明しています。
先ほど説明したとおり、LightningコネクタはUSB-Cのコネクタよりも耐水性能に優れています。
これはコネクタの形状に起因していると思われ、USB-Cのコネクタは内部に「しきい」のような端子が備わっているのに対して、Lightningコネクタは単純で水はけが良い構造となっています。
AppleはiPhoneの耐水性能について重要視しており、毎年発売される新モデルでは年々耐水性能が向上しています。
iPhoneはiPadに比べて日常的に持ち歩く場面が多く、それにあわせて水没してしまう事故も相応に多くなっています。
持ち運ぶ機会が比較的少なく水没の危険も少ないiPadにUSB-Cを搭載して、水没の危険が多いiPhoneにLightningを搭載するというのは、耐水面で見れば理に適っているように思えますね。
Appleによる認証を受けたアクセサリは「Made for iPhone/iPad/iPod(MFi)」と呼ばれるライセンスプログラムに加入することができます。
このライセンスは「Apple製品で正常に動作する」ということを示すもので、Apple純正品だけではなく、サードパーティが発売している充電/通信用のライトニングケーブルもiMFのプログラムを受けることが可能です。
AppleはMFiライセンスプログラムにより周辺機器を製造するサードパーティのメーカーから収益を上げていますが、iPhoneのライトニングを廃止することでこのライセンス収益が低下すると考えられます。
特にiPhone向けのライトニングケーブルは数多くのサードパーティメーカーが発売しており、その多くがMFiライセンスプログラムに加入しています。
大きな収益源を手放したくない、というのは分かりやすい理由ですね。
Ming-Chi Kuo氏をはじめ、Apple関連のリーカーの中には「将来的にAppleがiPhoneのLightningを廃止する可能性がある」と見通しを立てている人も多くいます。
Ming-Chi Kuo氏は、「Lightningが廃止されるならiPhone 12シリーズで採用されたMagSafe方式のワイヤレス接続が採用される可能性はあるが、MagSafeは未熟なシステムで、Lightningの廃止には時間がかかるだろう」と説明しています。
iPhoneがLightningを廃止するときにはあくまで「ポートレス化」となり、Lightningの代替としてUSB-Cが採用される、ということは考えにくいようです
iPhoneユーザーの「iPhoneにUSB-Cを採用してほしい」という声は多いですが、iPhone 13以降にもUSB-Cが採用される可能性は低いとみられています。
iPadで使用しているUSB-CケーブルがiPhoneでは使えず、Lightningケーブルを別に用意する必要があるというのはいささかスマートさに欠けると感じますが、こればっかりは我慢するしかなさそうですね。
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