こんにちは。ダイワンテレコム渋谷店です。
お昼にTwitterを見ていると「eSIM」がトレンドにのっていましたね。
何でも菅首相が進めている「携帯料金の引き下げ」に関係し、「eSIM」を普及させるとか。
ただ、そもそも「eSIM」とは何ぞや?と思い、今回はこの「eSIM」についてまとめていきます。
「SIM」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、スマートフォンに挿し込む小さなカードではないでしょうか。そもそもSIMとは、「Subscriber Identity Module(加入者認識モジュール)」の頭文字をとった略称となります。
小さなチップの形をしているSIMの中には、携帯電話の契約者情報やキャリア情報、電話番号などのデータが書き込まれています。
キャリアはこれらの携帯電話情報をSIMを通じて管理を行っています。SIMが挿し込まれて初めて、スマートフォンはキャリアのネットワークを通じて、通話やインターネットの利用が可能になります。
このSIMの次世代規格が、eSIM(embedded Subscriber Identity Module)となります。
eSIMは、スマートフォンなどの端末本体にあらかじめ埋め込まれたSIMとなります。従来のSIMと同様、小さなチップの形をしていますが、端末から抜き差しすることはありません。端末が出荷される時点では、eSIMに携帯電話情報が書き込まれていないのも特徴です。eSIMが埋め込まれた端末を操作し(QRコードの読み取り、専用アプリのインストールなど)、「プロファイル」と呼ばれるデータのセットをダウンロードしてeSIMに書き込むことで、電話やインターネットなどの通信を利用できるように設計されています。
1:ユーザー自ら携帯電話情報を書き換え可能
メリット:国内外問わずキャリアを乗り換える際のSIM差し替えの手間が不要
2:複数の携帯電話情報を保存できる
メリット:複数のプロファイルがあれば、端末操作で利用プロファイルを簡単に切り替え
3:ひとつの携帯電話情報を複数のeSIMで共有できる
メリット:一部モデルではペアリングにより異なる端末間で共通の通信サービス利用も。
カード型SIMにプラスしてeSIM利用可能な機種では一端末で複数の回線を使い分け、2台持ちも不要に。
1:対応端末が限られている
日本国内でeSIMを利用できるスマートフォンは、iPhoneXS/XS Max、iPhoneXR、iPhone11シリーズ、Google Pixel4、また「eSIM」限定の「Rakuten mini」くらい。
2:eSIM対応のキャリアが少ない
特に課題として目立つのが、eSIM対応キャリアの少なさです。
海外ではMVNOを含め、eSIM対応キャリアが見られるようになっていますが、国内ではIIJ、楽天モバイルの2社のみ。
それ以外では、海外のキャリア・プロバイダーのeSIMプランを利用することになります。ただし、いずれの場合もeSIMで利用できるのはデータ通信に限られており、現状では音声通話を利用できません。
3大キャリアによるeSIMへの対応を見てみると、Apple WatchとiPhoneのペアリングに関わるものが基本となっています。
スマートフォン単体での利用については、唯一KDDIが海外渡航時限定でeSIMのプランを展開しているのみです。
こうした課題がある中、日本国内では、eSIMを利用できる機会が限られているのが実情です。
ユーザーとしては物足りないかもしれませんが、ユーザーが簡単にキャリアを乗り換えられるeSIMは、キャリア側にとっては「ユーザーが流出しやすい」デメリットがあるともいえます。キャリアがあまり積極的になれないのも納得ではないでしょうか。
ちなみに今年、総務省は「モバイル市場の競争環境に関する研究会」最終報告書に基づき、「MVNOに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドライン」を改定、リモートSIMプロビジョニングは「開放を促進すべき機能」であるとして、MNOからMVNOにeSIMを開放させようと促しています。
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