かねてより、iPhoneに採用されている技術が特許侵害に当たるとして、Appleと係争中だったクアルコムは、米国時間12月10日朝、「中国裁判所が、クアルコムの特許を侵害している一部のiPhoneの輸入・販売などを禁ずる命令を出した」と発表しました。
クアルコムの発表資料によれば、今回、中国裁判所が特許侵害であると認定したのはiPhone 6~iPhone Xまでのモデルで、中国への輸入・販売・販売促進の全ての即時停止を命じたとされます。
同資料の中で、クアルコムは「アップルは特許料の支払いを拒否し、我々の知的財産から利益を得続けている」とアップルを非難しています。
アップルとクアルコムは10件以上の特許侵害で係争中ですが、今回は、「写真編集機能」と「スワイプ可能なタッチスクリーン」の2件の特許侵害について、クアルコム側の言い分が認められた格好です。
昨年2017年秋には、クアルコムが和解に向けて歩み寄る姿勢を見せたのに対し、Appleは「クアルコムは過去に主張したことのない3つの特許を主張しており、裁判所を通じてすべての法的手段を追求する」とし、徹底的に争う姿勢を明らかにしています。
ちなみに、この裁判所の決定がいつから発効するのか等はわかっていません。
中国裁判所が、輸入・販売を禁じた対象は、iPhone 6~iPhone Xですが、iPhone6/6lus/6s/6sPlus/SEはすでに販売を終了しており、iPhone Xも販売終了モデルとなっているため、実際に販売禁止となるのは、iPhone7/7Plus
の「7シリーズ」と、iPhone8/8Plusの「8シリーズ」の計4モデルのみとなります。
最新モデルであるiPhoneXS/XS MAX/XRは、クアルコムが訴訟を起こした時点では発売されておらず、今回の輸入・販売禁止措置の対象とはなりません。
米政府が自国内のみならず、日本やオーストラリアなど同盟国・友好国にも、Huawei・ZTE製品排除への協力を求める中での今回のiPhoneの輸入・販売禁止は、中国側の「報復」であるとも見えますが、その真相は分かっていません。
いずれにしても、最新モデルXS/XS MAX/XRは販売が振るわず、iPhone 8やiPhone Xがその穴を埋めていると言われる現状で、巨大市場である中国で売れ筋モデルが販売禁止となるのは、Appleにとって手痛いのは間違いありません。
中国での輸入・販売禁止はAppleの株価にも影響を与えており、自らの販売戦略の見誤りに加えて、様々な外的要因も加わって、ますますAppleが追い込まれているように見えてしまいます。
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