12月21日に発表された、総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」によれば、平成30年度第2四半期(9月)のMVNOサービスの契約者数は1,988万件で、前期比+3.6%、前年同期比+17.8%でした。
また、契約者数30万件以上のSIMカード型サービスに限れば、契約数は1,198万件で、前期比+4.6%、前年同期比+21.2%と、順調に契約数を伸ばしている事が見て取れます。
SIMカード型サービスにおける、MVNO上位5社各社のシェアは以下の通りです。
1位は楽天モバイルで16.1%、2位はIIJ(IIJmio)で14.5%、3位NTTコミュニケーションズ(OCNモバイルONE)で11.7%、4位ケイ・オプティコム(mineo)で10.5%、5位はビッグローブで5.3%でした。
各社のシェアと、前期比、全同期比を数値にするとこうなります。
前年同期比では、楽天モバイル、ケイオプティコムが契約数を伸ばしていますが、今年度前期比では各社とも契約数は伸びておらず「頭打ち」の状態であることがわかります。
ビッグローブに関しては、前年度既にはTOP5に入っておらず、Sonetの2.2%未満であったとすれば、前年同期比は+3.0%以上という伸びを示した事になりますが、前期比では微減に留まっています。
5社合計のシェアは58.1%と、全体の6割近くを5社で占めていますが、前年同月の50.2%から8%程の伸びにとどまっており、冒頭でご紹介したSIMカード型全体の前年同月比+21.2%と大きな違いが見られます。
この数値の意味するところは、MVNOへの乗換えユーザーは20%増と多いものの、乗換え先が上位5社ではない下位の各社に分散しているという事です。
MVNOサービスを提供する事業者の数は、年々増加しており、今期統計では962事業者となっています。
グラフは、上から「契約数3万未満の2次MVNO」、「契約数が3万以上の2次MVNO」「契約者が3満未満の1次MVNO」「契約数が3万以上の1次MVNO」で、1次、2次とも契約数3万未満の中小事業者が増加している事がわかります。
実際、筆者が利用している通信会社もMVNOTOP5社ではありませんし、相談された際に周囲に紹介するのもMVNO上位5社ではありません。
仕事がら、5社全てのSIMを利用した経験がありますが、筆者の個人的な意見で言えば、上位3社は正直面白みがありません。ソツなく平均的な優等生としてまとまっており、サービス内容にも、通信速度などでも目立った特徴がありません。
ケイオプティコムやビッグローブは条件次第ではお勧めに加える事があります。特にビッグローブの「エンタメフリー」オプションは動画視聴の多いユーザーにはお勧めできるサービスだと考えています。
上位5社よりも、もう少し小さな所帯で意欲的な姿勢を見せている事業者か、大きな財力・体力に物を言わせてサービスと料金を高次元でバランスさせているサブブランド系の方が面白味があるように思います。
LINEモバイルや、b-mobileS(日本通信)、LinksMate(LogicLinks)などの独自路線をゆくMVNOか、大手キャリアの良さと格安料金が魅力のY!mobile、UQmobileのサブブランド系かをお勧めする事が多くなっています。
今や、MVNOは安ければよい時代は終わっています。
あれもこれも…と取り揃えた優等生的事業者より、一部機能やサービスに特化して尖っている事業者に興味を持つユーザーが多くなっているように感じます。
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