驚くべきスウェーデンのキャッシュレス事情

[公開日:2019/01/23]
筆者: 渋谷店

 

今、日本を含め世界中でスマホ決済やクレジットカード等を使って支払いをする消費者が増加しています。

 

ニューヨークタイムズが伝えるところによれば、中国やアジア諸国ではスマホ片手のモバイル決済が日常化し、ヨーロッパでは現金を使うのは5人に1人と言われ、ベルギー、デンマーク、ノルウェーではデビットカードやクレジットカードの利用者数が過去最高となっています。

とりわけ、スウェーデンの若者はキャッシュレス化の先頭に立っています。

経済活動で現金が使われる割合は、ヨーロッパで10%、米国で8%ですが、スウェーデンでは僅か1%にすぎません。

 

2010年に、スウェーデン国内で現金を使用する人の割合は40%でしたが、2017年は10人に1(10%)程度に減少しました。未だ、スウェーデンのほとんどの業者が紙幣や硬貨を受けつけてはいますが、すでに現金が使えない店も増え始めているようです。

 

 

現金関連の作業に業務時間の15%を消費

 

首都ストックホルムから北へ約160キロにあるイェブレのイケアでは、支払いに現金が使われる割合が1%未満であった事から、実験的に現金を扱わないキャッシュレス方式を採用したところ、現金を数える等の作業に、業務時間の15%を費やしていた事がわかったと言います。

 

上級支配人のパトリック・ブーステイン氏によると、キャッシュレス化の試みで商品販売フロアの従業員の仕事が楽になったと言います。

 

来店客のうち、現金でしか支払えない人は1,000人に1.2人の割合で、多くはカフェテリアで小銭を使う傾向にあったため、イケアは、カフェで現金を使おうとする客に「無料券」を配っているそうです。それほど、現金で支払われることで消費する労働力が無駄ということでしょう。

 

キャッシュレス弱者の問題もある

もちろん全てのスウェーデン人が、急速なキャッシュレス化に付いて行ける訳ではありませんし、その急速さに異論を唱える人もいます。

 

消費者団体によれば、多くの退職者(つまり高齢者)や移民、身体障害者の一部は、キャッシュレス化の波に取り残され、不利な状況に置かれていると言います。

 

また、キャッシュレス化の進行は、国家が何世紀にも渡って築き上げてきた「最高保証人」としての役割を、「商業銀行」に譲る事にもなり兼ねないとの懸念もあり、「それが良い事なのか、悪いことなのか、成り行きに任せるのではなく、一度立ち止まって考えるべき」とする意見もあるようです。

 

日本はキャッシュレス後進国だが…

平成298月現在、総務省の統計によれば、日本のキャッシュレス決済の比率は18%に過ぎず、アメリカ41%、韓国54%、中国55%と比べて、大きく出遅れているのが実情です。

 

安倍政権は、「日本再興戦略」「未来投資戦略」や、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを踏まえ、キャッシュレス比率のアップを推進していますが、現状は思うような成果は出ていないのが現状です。

 

2018年年末の、いわゆる「PayPay祭り」を契機に、スマホ決済・電子マネー各社のキャンペーンも活発化しており、多くの人の目がキャッシュレス化に向いてきたようにも思えます。

 

今後の日本のキャッシュレス化はどのような進化・変貌をみせるのでしょうか。

source:GLOBE+

Photo:potaufeu

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