スマホ決済に関する意識調査

[公開日:2019/09/29]
筆者: 渋谷店

2019年9月19日に公開された「スマートフォン決済に関する実態調査」を受けて、MMD研究所は「QRコード決済(PayPayや楽天ペイなど)の利用者」250人、「非接触決済(ApplePayやモバイルsuicaなど)の利用者」250人、QRコードと非接触決済の「併用利用者」500人、「スマホ決済未利用者」500人を抽出し、「2019年9月スマートフォン決済の利用に関する意識調査」を行いました。

スマホ決済の利用状況

以前行なわれた「スマートフォン決済に関する実態調査」においては37,040人を対象に、主にスマホ決済の可否についてが調べられました。

「普段の支払い方法」(複数回答可)は「現金」が90.5%で1位、次点で「クレジットカード」が71.3%、さらに「カード型電子マネー」が47.1%となっています。

対して「スマホ決済」は16.4%にとどまり、その割合は上位3種の決済方法と比べるとまだまだ少ないように思われます。

また、「最も利用したい」という観点で行われた調査でも、現金とクレジットカードが上位になり、スマホ決済は10.6%という結果でした。

注目したいのは「アプリインストール後の利用状況」の質問で、いずれのサービスにおいても半数前後のユーザーが「アプリインストールしたが利用していない」と答えていることです。

またスマホ決済による利用金額に関しても、高額の買い物にスマホ決済を使う事に抵抗を感じるような回答が多くみられました。

今回の調査結果

さて、では改めてMMD研究所が調査・公開した「2019年9月スマートフォン決済の利用に関する意識調査」の結果を見ていきましょう。

 

QRコード決済と非接触決済それぞれで「スマホ決済を利用しようと思ったきっかけ」についての質問では、QRコード決済では「ポイントがたくさん貯まるから」が45.5%で1位に。対して非接触決済では「会計がスピーディーに終わるから」が44.7%でトップになっています。非接触決済ではポイントも重要視されていることから、会計時の簡便性は非接触決済に際立った利点として見られていることが分かります。

スマホ決済未利用者に関して

スマホ決済をまだ利用していない500人を対象にした質問では、未利用の理由で最も多かったのは「スマートフォンが紛失したり壊れた時に心配だから」という答えでした。続いて登録の面倒さと個人情報の登録への抵抗が見られました。確かに個人情報に関しては、様々な問題が過去に取り上げられた関係で不信感を持っている人が多くいるのもうなずけます。

さらにスマホ決済を利用しようとした経験についても聞いてみると、65.6%の人々が「利用してみようと思ったことはない」と回答しています。

スマホ決済のイメージ

各スマホ決済のイメージについて併用利用者に問うた調査では、QRコード決済については「お得である」という意見が全体の38.0%を占め1位となりました。対して非接触決済のイメージでは「使い勝手がいい」「支払いが素早く便利」が50%弱で主な意見となっています。

このような既にスマホ決済を利用しているユーザーは「今後もスマホ決済を利用したい」「キャンペーンやポイントの内容によっては利用し続けたい」といった回答がいずれのタイプでも9割を超えています。

キャッシュレスに対しての賛否

上記の調査からもだんだんとわかってきましたが、やはり「スマホ決済を利用し始める」段階が最も大きな壁になっているようです。

スマホ決済を主要素の一つとしたキャッシュレス目標を政府が掲げている現状ですが、キャッシュレス化に賛成か反対かを聞いたアンケートではQRコードと非接触決済の両方を利用しているユーザーの内58.4%が賛成と答えた一方で、未利用者は賛成がわずか18.2%、反対と答えた割合が他回答者と比べて最も高い34.6%にのぼりました。

加えて増税に合わせたキャッシュレス利用に関しても、すでに利用している人々では1割未満だった「キャッシュレス決済を利用するつもりはない」という意見が、未利用者間では44.8%と圧倒的な割合となっています。

なぜ浸透しないのか

始めに紹介した「普段の支払い方法」調査の結果から分かるように、スマホ決済は支払い方法の中では少数派という現状です。そして今回公表された数値を見てみると、1つの問題点は「知識不足」であるように考えられます。調査の中で「アプリをインストールしたが使い方がいまいちわからない」「使ってみたいがわからないのでできない」という意見が散見されました。もちろんサービスによっては非常に簡単に利用できるものも多くありますが、すべての年齢層にアプローチする事を考えるとわかりやすい説明・紹介がさらに必要になってくるでしょう。

 

そして、拭いきれない問題は強く残る「現金主義」です。既に話題になっているように、日本はキャッシュレス化が進んでいない先進国の1つです。アメリカや韓国などと比べてずっと現金で支払いを済ませる割合が多い日本。これに関して、日本は現金を使うことによる不利益が少ないことが要因の一つとして挙げられます。国によっては偽札が横行していたり、使用が難しいほどに汚れた紙幣が流通していたりなど、現金であることが不便な状況が生まれています。このような国では積極的にキャッシュレス化が進んできました。さらにキャッシュレスがメインの国では例えばクレジットカードで払えば税金控除であったり、一定%のポイントがつくなどして、キャッシュレス決済であることで得をするシステムが組まれていたりします。

 

さて、日本政府は「2025年までにキャッシュレス決済比率40%」を掲げているわけですが、上記の理由であまり現実的ではないように感じます。とはいえクレジットカードでもスマホ決済でもポイント還元は行われ始めているので、これまでよりは確実に増えるでしょう。今後のスマホ決済、ひいてはキャッシュレス化に向けての動向が気になるところです。

source:MMD研究所

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Photo:MMD研究所

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