iOS13に新機能「省データモード」とは?その活用法とは

[公開日:2020/01/01]
筆者: 渋谷店

iPhoneを利用する上で気になる事は色々ありますが、モバイル通信の「データ容量の無駄遣い」もその1つです。

iPhoneは常に何らかの通信を行っているため、何も設定・管理しない場合には、無尽蔵にデータ容量を消耗してしまうため、有料のデータ容量を無題に消費させないための設定が必要です。

モバイル通信を使っていないのにデータ容量が消費される問題については、先日、その原因や対処法について別記事にしていますのでぜひ、ご参照ください。

参考記事: iPhone、使っていないのにデータ容量が減少する原因と対策

この記事を執筆後にリリースされた「iOS13」では、「省データモード」という新機能が追加され、まさに、無駄にデータ通信を行わせない設定を簡単に行うための機能をAppleが用意してくれました。

今回は、iPhoneに新たに加わった「省データモード」について、その機能の内容や活用できる場面などをレポートします。

iOS13の新機能「省データモード」ってなんだ?

iOS13で新たに追加された機能「省データモード」とは、簡単に言ってしまえば、データ通信量を節約するモードです。

iPhoneは、何も設定していない場合には、ユーザーの利便性や使い勝手を最優先した状態がデフォルトです。

iOSやアプリのアップデートは、ユーザーの手を煩わせずに自動的に行いますし、WiFiの状況が芳しくない場合には自動的にモバイル通信に切り替えて良好な通信状態の確保を優先します。

さらに、データのバックアップはもちろん、アプリやコンテンツに必要なデータ通信を常に行っています。

こうした状況を放置していると、ユーザーがWEBを閲覧したり、メール等のメッセージのやり取り、SNSの閲覧や投稿などといったデータ通信の利用をしていないにも関わらず、勝手にデータ通信が行われてしまうため、月間で容量を決めて購入しているモバイル通信では、無駄にどんどん容量を消費してしまっている事になります。

そんなiPhoneに対して、これまでは、参考記事で詳細にレポートしたように、個別にデータ通信を行わせない設定をする必要がありましたが、対象となる通信は様々あり、1つ1つを設定するのは容易いことではありませんでした。

そうした状況に対して、今回、Appleが追加してくれた機能が「省データモード」というわけです。

省データモードにすると何が変わるのか~設定内容

iPhone内のアプリは、以下のようにデータ通信量を抑制します。

⦁ 各アプリは、そのアプリを使用中でない場合にはデータ通信の使用を控える。
⦁ 「設定」にある「Appのバックグラウンド更新」はオフになる。
⦁ コンテンツのストリーミング時の品質を低下させてデータ通信量を抑制する場合がある。
⦁ 自動ダウンロードと自動バックアップを無効にする。
⦁ 写真などのデータのiCloudへの自動バックアップを一時停止する。

また、iOSに標準付属のアプリやサービスは「省データモード」に以下のように対応します。

⦁ App Storeのビデオの自動再生、自動アップデート、自動ダウンロードを無効にする。
⦁ Apple Musicは自動ダウンロードと高音質ストリーミングを無効にする。
⦁ Podcastはフィードのアップデートの頻度が制限され、エピソードはWi-Fi接続時にのみダウンロードを行う。
⦁ Newsは記事のプリフェッチを無効にする。
⦁ iCloudはアップデートを一時停止、自動バックアップとiCloud写真のアップデートを無効にする。
⦁ FaceTimeはビデオのビットレートが低帯域幅に合わせて最適化される。

要するに、不要不急のデータ通信を最大限に抑制する事で、データ通信の消費を極力抑える設定となる訳です。

省データモードは従来の手動の通信制限と何が違うのか

従来は、個別に通信を「行う・行わない」を設定したり、「自動アプデート」を手動にする等の個別の設定を行いましたが、結果としてあまり違いがあるようには思えない「省データモード」を導入した理由は、データ通信は複数あることでしょう。

つまり、従来の通信を行わない設定や、自動アップデートをしない設定は、通信を行うか行わないかだけの選択であり、自動アップデートを行うか行わないかだけの選択で、ユーザーが実際に感じるような細かな設定ではありませんでした。

では「細かな設定」とは何か…と言えば、データ通信ごとの設定です。

例えば、外出中にデータ容量を有料で購入しているモバイルデータ通信を使って、アプリのアップデートを行って欲しくないけれど、自宅に戻ってWiFi環境になったら、逆にすぐにでもアップデートして欲しい…、そう思っても、従来は、自動アップデートを「する」か「しない」かの2者択一で、「状況によってはする」「状況によってはしない」の選択肢がありませんでした。

今回の「省データモード」の優れポイントは、通信回線ごとに「省データ」を設定できる事にあります。

こちらは、筆者のiPhoneですが、データ通信が複数系統あります。

モバイル通信が、「主回線」「副回線」の2系統、そしてWiFiです。

さらに、自宅WiFiは5GHzと2.4GHzの2系統あるので、自宅に居る場合、全部で4系統のデータ通信が可能です。

今回の「省データモード」は、これらのデータ通信に対して個別に省データを設定できるため、モバイル通信だけを省データ設定にしておけば、自宅に戻りWiFi環境下に入れば、制限していた自動アップデートや、バックアップを行う設定が可能になるわけです。


まさしく、これこそが「省データモード」の肝で、iPhoneが自動で行っている様々な通信を、どのデータ通信を使用して、どのデータ通信は使用させない設定が可能になったわけです。

ちなみに、外出時にモバイル通信を利用している際に「省データモード」に設定していても、「通知」は制限されませんので、メールやSNSの着信などに気づかないと言う事はないので安心です。

データ通信ごとの省データモードの設定方法

省データモードの設定方法について、モバイルデータ通信及び、WiFiの通信回線ごとに解説します。

モバイル通信の省データモードの設定方法


こちらは、各々「モバイル通信 主回線」「モバイル通信 副回線」の設定画面で、個別に「省データモード」の項が設けられているので、省データにしたい回線のみ「省データモード」をONにします。

同じモバイル通信でも、主回線は省データ設定にして、副回線はしない…、あるいは、両方する等の個別の設定が可能です。

WiFi通信の省データモードの設定方法


こちらは、WiFiの設定画面です。

省データ設定したいWiFiの「i」マークをタップし、詳細を表示すると「省データモード」の項が現れますので、これをONにします。

WiFiに2.4GHzと5GHzがある場合でも、個別に省データの設定が可能です。

WiFiの場合には、省データモードを設定すると、その旨がWiFiに表示されます。

【注意】
通常、モバイル通信は月間に消費できるデータ容量の上限があるため、無駄な通信で容量を消費させないためには「省データモード」が有効に作用すると見られますが、WiFiの場合には、特に月間のデータ容量の制限がない場合が多いので、特に「省データモード」に設定する必要はなさそうです。

モバイル通信もWiFiも、いずれも「省データモード」に設定してしまうと、iOSやアプリのアップデートや、データのバックアップ等を行う機会がなくなってしまいますので、設定する強い理由がない限りは、WiFiは「省データモード」にしない方が良さそうです。

省データモードにすると何が違うのか?

省データモードに設定した場合、何か目に見える違いがあるのでしょうか?


こちらは、App Storeのアプリのアップデート画面です。

通常時には、アプリ個々にアップデートさせたり、「すべてをアップデート」から一括でアップデートさせる事ができますが、アップデートを行おうとする回線に「省データモード」に設定されている場合には、アップデートさせると図のような確認画面が出る仕様に変わります。

「省データモードに設定してあるのに、今、アップデートしてよいのですか?」というわけです。


こちらは、App Storeの「Arcade」のページですが、通常時には自動的にゲーム紹介の動画が再生されますが、使用している通信回線が「省データモード」に設定されている場合には、動画は、手動で再生する仕様に変更となります。

モバイル通信だけに省データを設定している場合、WiFiで上記にアクセスしても通常通りの動作になりますし、WiFi・モバイル通信いずれにも省データを設定していれば、どちらの回線でアクセスしても、省データの動作となります。

省データモード まとめ

今回は、iOS13から追加となった新機能「省データモード」についてまとめました。

従来、iOSやアプリ等のアップデートや、バックアップやiCloud同期などを「自動」に設定している場合、有料のモバイル通信のデータ容量を無駄に消費してしまう事から、自動アプデートなどをさせない設定はありましたが、今回の「省データモード」は、外出先でモバイル通信を使ったアップデートやバックアップなどはさせず、自宅のWiFi環境に戻ってから実行させるなど、データ通信回線ごとに、細かく動作を設定できるため、ユーザーの意思に近い動作が可能になりました。

この機能は、月間で利用できるデータ容量を節約する事はもちろんですが、写真アプリのiCloud同期や、Apple Musicアプリの自動ダウンロードなども制限するため、データ容量だけでなく、iPhoneのストレージの消費も抑制する事になります。

外出先で細かな設定ができたい状況下でストレージの空き容量に余裕がなくなった場合など、とりあえず「省データモード」に設定しておけば、ストレージの空き容量の消費も抑えられるはずですので、通信・ストレージ両面から有効と考えられます。

もちろん、通信回線に無関係に自動的にアップデートさせないのであれば、「省データモード」よりも、従来の「自動アップデートOFF」の方が的確な制限となりますので、上手く使い分けをする必要がありそうです。

この記事を書いた店舗情報

渋谷店

150-0043
東京都渋谷区道玄坂2丁目2−1しぶちかショッピングロード

03-6416-0622

人気ブログ

新着ブログ

機種一覧

店舗一覧