iPhoneのエクスプレス交換プログラムの使い方と注意点

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iPhone修理のダイワンテレコム新宿本店です。

Apple iPhoneは、日本国内でも、グローバルでも最も人気の高いスマートフォン・ブランドですが、このiPhoneには、2つの「保証制度」が用意されていることをご存知でしょうか。

よく耳にするのが「Apple Care+」（アップルケアプラス）です。

iPhoneの新品購入時、あるいは、純正整備済みiPhone(Refurbished)購入時に加入する事ができる端末保証制度で、購入端末によって料金が異なりますが、バッテリー交換やディスプレイ交換等の修理・交換から、電子部品の修理・交換等の対応を割安な料金で受ける事ができます。

そしてもう1つが、製品に対する1年間の「製品保証」です。

新品のiPhoneを購入した際に付与される保証で、1年間の限定で故意ではない故障や不具合を無償で修理する事ができます。

 

 

エクスプレス交換とは

「エクスプレス交換」は、上記の「Apple Care+」に加入している場合、及び、1年間の製品保証期間内に受けられる製品の交換補償サービスで、「Apple Care+」の特典の1つです。

エクスプレス交換の特徴

エクスプレス交換には以下のような特徴があります。

修理期間の空白なし・代替機の準備不要

その名の通り「交換」なので、修理等の場合に生じる端末を利用できない空白期間がないのが特徴です。

Appleが「交換対象」と認めた場合、交換端末が自宅に配送され、配送員に不具合が生じている端末を渡すだけなので、修理期間の空白や代替機の準備などが不要となります。

交換端末の代金は一律

交換料金は、2019年6月現在、機種に関わらず一律11,800円（税別）です（変動する可能性あり）。

 

エクスプレス交換対象外となる場合

ただし、どんな端末でも交換対象として認められるわけではなく、以下の場合には「交換」する事ができません。

• 故意の破壊が確認された場合
• 修理不可能な壊滅的な損傷の場合
• 不正な改造による機能生姜が生じている場合
• 最大2 回まで受けることができる修理サービスを使い切っている場合

 これらの条件に当てはまらなければ、基本的に「エクスプレス交換」は拒否される事はありません。

エクスプレス交換の費用

「エクスプレス交換」に要するコストは、まず（A）「Apple Care+」に加入している事が前提ですので、機種ごとの「Apple Care+」料金＝iPhone XSで22,800円、iPhone XRや8Plusで16,800円等がコストとなります。

「エクスプレス交換」を実行する際の（B）「交換端末」の代金は一律11,800円ですので、トータルで24,600円～34,600円となります。

（C）は、前述の交換対象外となる場合の交換端末の代金で、「壊滅的な破損」や「不正改造」等に当てはまる場合、（B）ではなく（C）が請求（申込時に届け出のクレジットカードに与信枠を設定）となります。

修復不可能なボロボロなiPhoneを、11800円で新品交換しようとしても、それはできない仕組みになっています。

エクスプレス交換の申込みと端末の配送・受取り

エクスプレス交換を申込み際に、事前に準備すべき事があります。

端末の保証状況の確認

まず、交換しようとする端末の保証状況を確認します。

専用のWEBサイトから簡単に確認することが可能です。

→確認サイト：保証状況とサービス期間を確認する

こちらは筆者のiPhone XSの実際の保証状況の確認画面です。

筆者はApple Care+に加入していませんが、現時点では1年間の製品保証が有効ですので、修理サービス補償は「有効」であると記載されていますので、今年の9月25日までは、エクスプレス交換プログラムを利用する権利を有しています。

ちなみに、iPhoneのシリアルナンバーは、「設定」→「一般」→「情報」で確認する事ができます。

この画面で、修理サービス保証が「有効」の表示ではない場合には、エクスプレス交換を利用する事はできません。

サポートに電話し故障等の状況を説明し、エクスプレス交換の希望を伝える

エクスプレス交換は、電話以外では申し込む事ができません。

サポートに電話して、まずは「本人確認」を行い、「状況の説明」「エクスプレス交換希望」の旨を伝えます。

サポートでエクスプレス交換が妥当と判断されると、支払いページがメールで知らされますので、クレジットカード番号等、支払情報を入力（※）すれば手続きは完了です。

※上記の保証適用外の金額がクレジット与信枠に設定され、早々された端末が修復不可能な場合や、交換端末が返送されない場合に充当される仕組みです。交換可能な端末が正しく返送された場合に、与信枠が取り消しとなります。

配送前に行う事前準備

エクスプレス交換の実施が決まったら、Appleから交換端末が届く前に必ず実施しておかなければならない事前準備に取り掛かります。

データのバックアップを行う

交換で手放すiPhoneのデータをバックアップしておかないと、新たに届く交換端末にデータを移す事ができませんので、必ずデータのバックアップを実施します。

iCloudでも、iTunesでも良いので、必ず最新のデータをバックアップしておきます。

あまり早くにバックアップをしてしまうと、交換端末が届く前に変動・増加したデータがバックアップに含まれない場合がありますので、できるだけ配送日の前日にバックアップする等、交換までに重要なデータが変動しないよう要注意です。

iPhoneを探す（アクティベートロック）を解除）する

「iPhoneを探す」機能がONになっていると、アナタが設定したパスコードが分からない限り端末ロックを解除できませんので、必ず「iPhoneを探す」をOFFにしておきます。

「設定」→「Apple ID」→「デバイス情報」からON/OFFを切り替えることができます。

SIMカードを外して保管

通信会社のSIMをSIMトレーから取り外して保管しておきますが、実は、SIMカードをそのまま送ってしまうケースが多いので要注意です。

というのも、手放すiPhoneが不調ではあっても利用可能な場合、新しい端末が届くまで使い続けている場合が多く、配送員に「iPhoneをください」と言われて、うっかりそのまま渡してしまうケースが多々あります。

SIMカードは、通信会社からの貸与品で、紛失・破損の場合にはSIMの再発行が必要となり、余計なコストがかかってしまうので、配送員にiPhoneを手渡す際に、必ずSIMカードを抜いたかどうかを確認する必要があります。

また、取り外したSIMを傷つけないような注意が必要です。

付属品・アクセサリーを外す

ケース、保護フィルム等のアクセサリー類は全て外します。

また、充電器や充電コード、箱・取説などは送る必要はなく、iPhone本体のみを配送員に手渡します。

交換端末を受け取り、初期設定を行う

配送員から受け取った交換端末のiPhoneを、キズ等がないか確認し、問題なければ初期設定を行います。

データをバックアップしてあれば簡単にデータをバックアップして、新品端末で利用を再開する事ができます。

この修理期間のインタバルがない点がエクスプレス交換の最大のメリットで、iPhoneを使えない時間は、配送の受け取り～初期設定完了までの、最短で10～15分程度であり、これは他の方法では得られない大きなメリットです。

エクスプレス交換を利用しない場合の修理

時間的なメリットで見れば、エクスプレス交換のメリットは明らかですが、コスト面で考えると、通常の修理対応の方がかなり割安になる事は否めません。

iPhoneのモデル	Apple製品限定保証または AppleCare+の保証対象	保証対象外
iPhoneX、iPhoneXS iPhoneXS Max、iPhoneXR	0円	7,800円
iPhoneSE iPhone6、iPhone6Plus iPhone6s、iPhone6sPlus iPhone7、iPhone7Plus iPhone8、iPhone8Plus および、その他すべての対象モデル	0円	5,400円

例えば、バッテリー交換であれば、Apple Care+加入者、及び、1年間の製品保証対象の場合は無料です。

機種	AppleCare+	保証対象外
iPhoneX・XS・XS Max・XR・X	3,400円	31,800円～37,400円
iPhone8・8Plus・7・7Plus		16,800円～19,400円
iPhone6s・6s Plus～iPhone5s		14,800円～19,800円

また、ディスプレイ交換の場合は、Apple Care＋加入者であれば3,400円と、エクスプレス交換の11,800円よりも割安なコストで修理する事ができます。

ただ、こうした割安な料金と引き換えに、ユーザー側の負担も大きくなります。

データのバックアップや、「iPhoneを探す」機能のOFF等は同等ですが、Appleショップへの持込み修理の場合でも数時間、配送修理の場合には1週間ほどの端末レス状態となるため、その間の代替機を自分で手配する必要があります。

さらに、ショップの予約自体が取りずらい状況もありますし、ショップへ出向くための時間も費用も必要ですので、そうした事を勘案すると、もし11,800円のコストの出費が可能なのであれば、エクスプレス交換の選択は、コストが高いからとあながち否定するだけのものではなさそうです。

街のiPhone修理店を利用した場合

主要駅周辺に数多く点在する、iPhone修理店、いわゆる「街の修理屋さん」を利用するのも1つの選択肢です。

最大のメリットは、「料金の安さ」と「手間いらず」という事です。

バッテリー交換や、画面交換などでも30分以内で作業完了する早さは、代替機の必要を感じない程の早さですし、料金もApple純正修理に比べるとかなりリーズナブルです。

また、端末のデータが消えずにそのまま残るため、必然的にデータのバックアップも必要ない等、Appleで必須で求められる事前準備が不要と言う手間のかからなさは特筆ものです。

もちろん、使用する部品は純正品ではありませんが、同等品であり性能が劣る事はありませんし、iPhoneのバッテリーの容量表示も現行iOSでは正常に100％に戻る事が確認されています（※）。

※街の修理店はAppleから事前の情報等が得られませんので、iOSがアップデートされた場合には、リリース後に正常動作を確認する事となるため、今後も必ず各機能に対応するかどうかは断言できないリスクがあるのは確かです。

街の修理店は、「コストをできる限り抑えたい」と考えるユーザーには最良の選択肢となるはずです。

エクスプレス交換 まとめ

Apple Care+加入者、1年間の製品保証期間内の場合にのみ得られる「エクスプレス交換」は、端末を修理に出して戻った場合でも初期化された端末にバックアップデータから復元しなければならない事を関換えると、11,800円と言うコストの問題はありますが、必ずしも選択外のプログラムではないと言えます。

例えば、落下によるディスプレイ破損の場合、目で見えている不具合はディスプレイの画面割れだけだとしても、精密機器であるiPhoneが、内部でどこにも損傷を受けていないとは限りません。

その場合、想定したディスプレイ交換修理の費用だけでなく、他に発生している不具合の修理についても費用が請求される事を考えると、最初から新品（または新品同様品）に交換してしまう方がリスクは少ないとも言えますし、そういう場合には、11,800円のコストも逆に割安になる可能性も出てきます。

そんな事を考え併せると、実は「エクスプレス交換」は、不具合を発症しているiPhoneの修理プログラムとして、かなり優れていると言えるのではないでしょうか。