iPhone SE 2は買いか?買うべき人、買うべきではない人とは
ついに待望のiPhone SE 2が発売される!
著名なアナリストの予想もあって、業界では、既定路線として新型iPhone SE 2の発売の噂を受け入れている感があります。
9月に発表、発表とその同月、あるいは11月に発売というのが例年の新モデルの発表・発売パターンですが、iPhoneに関しては、過去に3月に発売された機種がありました。
それが、オリジナルのiPhone SEです。
iPhone SEは、既存モデルの筐体と再審機能・性能を詰め込んだ「ニコイチ」モデルですが、高機能・高性能なのに割安な価格設定が評価され、非常に人気が高く、後年になっても「小さな名機」として多くの「iPhoneは小さくないと」派に愛され続けています。
そんなiPhone SEの新型機を望む声は世界中からずっと上がり続けてきましたが、オリジナルiPhone SE発売から4年後の今年2020年についに「SE 2」が発売されると、多くの「小さなiPhone」を待ち続けてきたユーザーを歓喜させているという訳です。
しかし「SE 2」」はオリジナルSEとキャラクターを異にしている部分もあり、必ずしも全ての「SE待望」ユーザーの期待に応える端末であるとは言い切れません。
そこで今回は、現在出回っている「SE 2」」の噂を元に、買い換えるべき人、買い換えてもよい人、買い換えるべきではない人の条件を見出してみようと思います。
果たして、iPhone SE 2は「買い」なのか、「スルー」なのか、どうなのでしょうか。
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まずすべきことは、絶大な人気を誇ったiPhone SEの、人気の理由・要因を特定する事です。
iPhone SEはなぜあれほどの人気を得る事ができたのか、なぜあれほど多くのユーザーに長期に渡って愛され続けたのか、その理由や要因を具体化してみたいと思います。
iPhone SEが絶大な人気を博した理由は幾つもあると思いますが、中でも、やはり最も重要な要因は「価格」でしょう。
発売当時の価格設定は、16GB:399ドル(52,800円)、64GB:499ドル(64,800円)でした。
との時点での新開発の最新モデルは、前年9月発売のiPhone 6sでしたが、その価格は、16GB:86,800円、64GB:98,800円、128GB:110,800円と高額で、iPhone SEの価格はiPhone 6sの6~6.5割とかなり割安であってことがわかります。
割安な価格の秘密は、既存モデルの筐体(iPhone 5s)と、最新の機能・性能(iPhone 6s相当)を組み合わせたモデルのため、新規開発がない事による開発費の圧縮でした。
もちろん、古いiPhone 5sの筐体を流用している事による、3D Touchがない等の機能の欠落はあるものの、同じiOSを使用していることから処理能力は同等と見られ、しかも、小型である事からバッテリーの持ちが長い等のメリットも有しており、その新型モデルが、割安で入手できる事は大きな人気に繋がる最大の要因だったと考えられます。
つまり、オリジナルiPhone SEの「SEたる所以」の1つ目・2つ目の条件は以下の条件となります。
(1) 既存モデルの筐体や機能・性能を組み合わせたモデルであること
(2) それによる開発費の抑制効果による安価な販売価格設定
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前項で述べたように、iPhone SEの人気の要因に、機能・性能の高さがありましたが、発売時点での最新モデルの機能・性能を惜しみなく注ぎ込んでいる事も人気の秘密と考えられます。
iPhone SEは、2世代前の筐体を使用しながらも、機能・性能は1~2世代前のものではなく、発売時点の最新モデル~現役世代の機能・性能を注ぎ込んでおり、処理能力など機体の根本を成す部分で、高額な現役モデルに引けを取らない事が重要だったという訳です。
使用した筐体による制限で、搭載できない機能もありましたが、CPUをはじめとする基本性能は最新モデル同等という点で、大きな割安感・お得感を感じられた事が、後の人気の大きな要因と言えます。
iPhone SEは、割安な価格設定で「廉価版」としての位置づけで登場したにも関わらず、蓋を開けてみれば、当時最新のiPhone 6s相当の性能を有していたのですから、自ずと人気は高まるはずです。
つまり、オリジナルiPhone SEの「SEたる所以」の3つ目の条件は以下の条件となります。
(3) 発売時点の最新モデル相当の機能・性能を有している事
iPhone SEが絶大な人気を博したのには、「大きさ」という要因も大きかったでしょう。
iPhone SEは、iPhone 5sの筐体を流用しているため、高さ123.8mm×幅58.6mm×厚さ7.6mmと小型で、重量も113gと軽量でした。
この小ささは、手の小さな日本人、特に女性にとっては非常に扱いやすいサイズで、通勤時の電車内でも片手操作が可能という事で人気を博しました。
また、スティーブジョブズが開発したiPhone 4sまでのiPhoneはどれも小型で、「小さなボディに高性能を詰め込む」というスタイルは、iPhoneのアイデンティティとして捉えられる傾向が根強く、大型化した現在のiPhoneを否定的に見るユーザーの割合は決して少なくない事も、iPhone SEが根強い人気を維持し続けた背景にあるはずです。
つまり、オリジナルiPhone SEの「SEたる所以」の4つ目の条件は以下の条件となります。
(4) 手にスッポリ収まるコンパクトなボディ
以上のiPhone SEがSEである所以の4条件を、新しいiPhone SE 2が受け継いでいるのか見てみましょう。
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此処までに出回っているiPhone SE 2関連の噂やリーク情報等をまとめてみます。
新型iPhone SE 2が、iPhone 8の筐体を使用し、iPhone 11シリーズのCPUチップセット「A13 Bionic」を搭載する事は、iPhone SEの条件の第1番目、「既存モデルの筐体や機能・性能を組み合わせたモデルであること」に照らして妥当性があります。
iPhone 8の筐体を使用すると言う事は、iPhone 8のハードウエア面の基本仕様がそのまま受け継がれる事でもあります。
● 4.7インチ液晶ディスプレイ
● ホームボタン+Touch ID(指紋認証)
● シングルレンズ 12MPカメラ 光学手振れ補正 最大5倍のデジタルズーム
● Face Time HDカメラ(インカメラ)
● IP67等級の防水防塵性能
● 4G LTE-Advanced MIMO対応802.11ac WiFi Bluetooth 5.0
● リーダーモード対応NFC エクスプレスカード対応 FeliCa対応
● ワイヤレス充電
噂では、Face IDにも対応するといった噂もありますが、その辺りは現時点では定かではありません。
米国での販売価格は、64GB:399ドル、128GB:499ドルと予想されており、この価格は、オリジンなるのiPhone SEと同等な価格設定ですが、日本での価格はかなり安くなる可能性があります。
iPhone SE発売当時の為替レートは、1ドル=130~132円程度でしたが、現在は当時より円高が進行しているため、日本での価格は、1ドル=110~114円換算で、43,800~45,800円程度と見られています。
搭載されるCPUチップ等は、最新鋭のiPhone 11シリーズ相当と言われていますが、価格では、iPhone 11 64GBモデルの≒6割程度と、オリジナルSEのiPhone 6sに対する比率と同等です。
43,800~45,800円程度という価格見込みは、iPhone SEの条件の第2番目、「開発費の抑制効果による安価な販売価格設定」に照らして妥当性があります。
iPhone 8 の筐体に、iPhone 11シリーズに搭載されている、現時点で最も強力で速いA13 Bionicのチップセットが投入されるのは、iPhone SEの条件の第3番目、「発売時点の最新モデル相当の機能・性能を有している事」に照らして妥当性があります。
見た目は旧モデルなのに、最新鋭機相当の処理能力を有するという、ある意味でのイレギュラー感もiPhone SEの大きな魅力でしたので、新型iPhone SE 2においても、同様のキャラクターを持たせる事は間違いのない処と言えそうです。
オリジナルのiPhone 8は、10周年記念モデルとして発売されたiPhone Xと共通の、当時としては最新鋭の「A11 Bionic」を搭載していましたが、iPhone SE 2では、2世代進化している「A13 Bionic」が採用されれば、スーパーiPhone 8と言えるような、ある意味「とんでもないiPhone 8」が生まれそうです。
iPhone 8は、現在の、iPhone Xシリーズから見れば小型と言えなくもありませんが、iPhone 8同等の大きさであるiPhone 6は、iPhone 5sかまでのモデルに対し、スマホ大型化の波に対応すべくボディサイズが拡大されたモデルですので、「小さなiPhone」を名乗るのは少々無理があり、iPhone SEの第4番目の条件、「手にスッポリ収まるコンパクトなボディ」は受け継がないと見るべきでしょう。
残念ながら、iPhone SE 2は「小ささ」だけは受け継げませんでしたので、後に「小さな名機」と言われる事はないのかもしれません。
【余談】
それでは、「小さな名機」の系譜は途切れてしまうのか?と言えば、筆者は、次期新開発モデルに期待しています。
これも噂に過ぎず、例年秋の新開発モデルの噂としては、かなり早い時期の噂なので100%鵜呑みにはできませんが、実は、次期新開発モデルであるiPhone 12には、5.4インチの全画面モデルが存在すると言われています。
なんと、この5.4インチという画面サイズ(対角線)は、換算すると137.16mmになりますが、オリジナルのiPhone SEの対角線の長さは136.97mmで、換算すると5.39インチになるのです。
つまり、噂通りに5.4インチディスプレイのiPhone 12が発売されれば、ベゼルを含めても、オリジナルのiPhone SEの外形寸法に非常に近い大きさとなる可能性が非常に高いのです。
現時点では、5.4インチモデルが存在すると言う事も不確定要素ではあり、「たら」「れば」の話しにはなってしまいますが、もし、5.4インチモデルが登場するとすれば、「小さな名機」の「小ささ」は、iPhone SE 2ではなく、本流のiPhone 12シリーズの方に受け継がれてゆく可能性があります。
新しいiPhone SE 2は、もう1つ大きな役割を担っていると考えられます。
それは、ホームボタン装備のiPhoneの新型後継機という役割です。
iPhone 5シリーズとiPhone 6シリーズのユーザー数は、1億人を超えると言われていますが、例えば、この日本国内でも、俄かに高まりつつあるキャッシュレス決済への対応を見た場合、日本で普及している「Felica」に対応し、交通機関の運賃や、日々の店舗での支払い等が行えるのは、iPhone 7以降のモデルのみですので、iPhone 6シリーズ以前のモデル利用者の買換え需要を満たす端末でもあるわけです。
しかし、トランプ米大統領をはじめ、iPhoneにはホームボタンが必須だと考えるユーザーは少なくありませんが、現在のiPhoneラインナップでは、iPhone 8を最後に新型モデルがリリースされていません。
そこへ、外見はiPhone 8でホームボタンがあるのに、性能は最新iPhone 11相当となれば、当然、1憶人の多くが買換えを検討する事は目に見えています。
iPhone SE 2の後、ホームボタン装備のiPhoneがリリースされる確証はありませんので、もしかしたら、最後のホームボタン装備の新モデルになる可能性もある訳です。
そういう意味では、「廉価版」「小さく安いのに高性能」として愛されたオリジナルのSEにはなかった、「ホームボタンの継承者」としての役割を担うことになり、その点で、全てのラインナップの中で唯一の存在となる事をいみしているのかもしれません。
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それでは、iPhone SE 2を購入すべき人はどんなユーザーなのか、購入してもよいのはどんなユーザーなのかを確認しましょう。
ホームボタン装備の新型iPhone SE 2を購入すべき人は、以下の人々です。
● iPhone 6s以前のモデルを利用している人で
● ホームボタンが必須と考える人で
● スマートフォンにあまり多くの投資をしたくないと考える人
という事になり、さらに、
● 138.4mm×67.3mm×7.3mmの大きさと、148gの重さを受け入れられる人
という事になり、買い換える事によって得られるメリットは、
● A13 Bionicに代表される最新の処理能力
● 最新の機能・セキュリティ対策
● Apple Payによるキャッシュレス決済機能・交通系電子マネーのエクスプレスカード機能
● IP67相当の防水・防塵機能
● ワイヤレス充電機能
等々です。
新型iPhone SE 2を購入してもメリットがあるのは以下の人です。
● iPhone 7・iPhone 8を利用している人で
● ホームボタンが必須と考える人
という事になり、買い換える事によって得られる以下の点をメリットと捉えられる人です。
● A13 Bionicに代表される最新の処理能力
● 最新の機能・セキュリティ対策
機体も、機能・性能も、iPhone 6シリーズとの違い程の大きな差はありませんが、それでも、もしかすると、ホームボタンiPhoneの最終型になる可能性があり、現在の端末が発売から3~4年経過している事から、そろそろ買い替えタイミングでもある事から、買い換えてもメリットの方が多いはずです。
● iPhone X・XS・XS MAX・XRを利用中で、A13 Bionicのパワーを早く得たいと考える人
iPhone SE 2にはA13 Bionicが採用される見込みですので、A11~A12を採用するiPhone X・XS・XS MAX・XRよりもCPUチップセットは新しくなる事になりますが、ただしその分、全画面ではなくなり、Fade IDも失うこととなります。
以下の人は、iPhone SEQ 2が新モデルだからと言って、安易に買い換えずに、iPhone 12を待つべき人と言えます。
● ホームボタンが必要ない人、全画面モデルの大画面が必要と考える人
⇒4.7インチ画面は、最新モデルの6インチ前後の画面と比べるとかなり小さく満足できない可能性が高いです。
● 映画・動画等を美しい画面で見たいと考える人
⇒iPhone SE 2は液晶パネルを採用するはずです。2020年秋の新型を待つか、待てないなら、2019年モデルの有機ELパネル採用モデル(iPhone 11 Pro・11 Pro MAX)を購入すべきです。
● Face IDが便利だと感じている人
⇒iPhone SE 2は指紋認証となるはずです。Fade IDを利用できるのは、Xシリーズ(11含む)のみです。
● 常に最新の新開発モデルを持ちたいと考える人
⇒外観も機能・性能も新開発の新型iPhoneは、2020年秋の登場と見込まれます。
● 138.4mm×67.3mm×7.3mmの大きさと、148gの重さを受け入れられない人
⇒iPhone 12に、オリジナルSEの外形寸法とほぼ同サイズが用意されているとの噂があります。
iPhone SE 2は、新モデルと言っても、新開発の新型機ではありません。
旧モデルの筐体と、最新とは言え、既存のモデルに採用されている最新の機能・性能を合わせて製作された「ニコイチ」モデルです。
その価値は、「安価であること」「価格に比べて高性能であること」「ホームボタンを装備していること」等であり、未知の全く新しい機能・性能は盛り込まれていません。
その辺りの、iPhone SE 2の製品としての成り立ちが、買う・買わないの判断の分かれ目と言えそうです。
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