iPhone修理のダイワンテレコム新宿店です。
数年前から話題になっている次世代ディスプレイ「有機EL」。
携帯マニアの方ならもちろんご存知かと思いますが、まだご存知ではない方にもなるべくわかりやすく「既存のものと何が違うのか」「どんなメリット/デメリットがあるのか」を、ご紹介したいと思います。
まず有機ELとはなにか。
有機エレクトロルミネッセンス(Organic Electro Luminescence)の略語で、特定の有機化合物に電圧をかけることにより発光する物理現象のことを言います。
有機EL(ユウキ イーエル)は日本でよく使われている言葉ですが、世界的にはOLED(オーレッド)のほうが主流です。
※この記事の中では有機ELで統一します。
有機EL自体を発明したのは、アメリカに本拠を置く世界最大の写真用品メーカーであるイーストマン・コダック社です。(ポ〇モンみたいな名前!)
日本にも合同会社として子会社が設立されています。
このコダック社が発明をした有機ELを使用しているディスプレイのことを有機ELディスプレイと呼んでいます。実際、世に出ている商品にはテレビ・携帯電話・デジタルオーディオプレーヤーや、近年プチブームになっているAR(拡張現実)やVR(バーチャルリアリティ)などがあり、オーディオプレーヤーや携帯電話には、2007年~2009年あたりから導入されています。
当記事を作成するにあたり色々と調査をしましたが「・・・次世代と言っている割には結構前から使ってるじゃん!」と思いました。笑
しかし"携帯電話"には利用されているのに、"スマートフォン"にはまだほとんど利用されていないのが現状です。
そこで近年、AppleがiPhoneで名乗りを上げ、改めて話題になっています。
既存の液晶ディスプレイと有機ELディスプレイの違いを、
メリットとデメリットの観点でご紹介していきます。
ざっくりわかりやすく説明すると、有機ELには3点のメリットがあります。
①画質が良くなる
②消費電力が抑えられる(現状はスマホの場合に限る)
※発売されているテレビで比較をしてみると、既存の液晶ディスプレイを利用している商品のほうが有機ELディスプレイを利用している商品よりも消費電力が低くなっています。
③対象の端末が薄くなる
液晶ディスプレイの場合は、私たちが見ているパネルの裏側に何層にもなるフィルターが存在していて、そのフィルターの後ろからパネルに向けて光を点灯させて映像を映し出している仕組みになっています。
この方法でも十分人の目には綺麗に見えるのですが、バックライトとフィルターはピッタリくっついているわけではないのでどうしても光が余計なところに漏れてしまいます。たまに黒い画面が、真っ黒ではなく若干発光して見えることがあると思います。
これが有機ELディスプレイになると、色の元自体が光るので後ろから点灯させる必要がなく色が鮮明になります。もちろん、光の漏れもなしです。
ただし、光の漏れはありませんがスマホなどでよく目にする"ドット抜け"と同じような症状は少なからずあります。液晶では本来点灯するはずのバックライトが一部点灯しないことにより発生する症状ですが、有機ELでも種類は違えど点灯はしているので、一部無点灯になってしまうことがあります。
世界で期待されている有機ELだからといって万能ではないことがわかりますね。
①画質でも説明をしましたが、液晶の場合は点灯させるためのライトやフィルターの他にパネルを動作させるために必要なものがいくつも存在しますので、その分電力が必要になります。
しかし有機ELは、点灯させるバックライト自体がないのでその分余計な電力が不要となります。商品の厚みに関しても同様で、余計な液晶シャッターやライトが存在しない有機ELは液晶よりもその分薄くなる、という仕組みです。
ちなみに、この有機ELがスマホに起用される場合は、消費電力が少ないことによりバッテリーの持ちが良くなります。スマホはディスプレイに対しての電力消費量が意外と多いので、期待したい部分です。
デメリットなんかない、とおっしゃる方もいますが、そんな商品はなかなか存在しないはず。メリットよりデメリットが気になる方多いと思いますのでこちらもちゃんとご紹介します。
①価格が高い
②寿命が短い
③直射日光に弱い
現在判明している情報の中でのデメリットは以上3点となります。
有機ELを起用している商品が市場に流通している量はまだ少ないため、価格が高いのは致し方ないとして、気になるのは寿命と直射日光ですね。
有機ELに利用している有機材料というものが弱く、湿気などによって劣化してしまいます。そのため、ディスプレイを取り付ける外枠が酸素や湿気を通しやすい物質になると、有機材料はダメになってしまいます。防水機能が進んでいるスマホは問題ないと勘違いされる方もいますが、水に濡れたあと普通に動いてはいても、中身はちょっとずつ劣化していきます。実際、メーカーが携帯電話に取り付けている"水没反応シート"は水に濡らしたことがなくても湿気だけで反応してしまうケースも多いのです。それを考えると寿命を延ばすのは難しいかもしれません。
ただ、有機ELディスプレイをスマホに用いたとしても、1日5時間程度の利用で10年近く持つ計算になります。だいたいの人は3年以下で買い替えることが多いのでほとんど気にしなくてもいいようなレベルです。
直射日光に「弱い」と書きましたが、直射日光に当たると壊れるのではなく、当たると画面が見えづらくなります。有機ELはバックライトがなく自分で発光させるため、どうしても、バックライトがある液晶よりも光の度合いが弱くなります。外でスマホを利用する時、太陽に反射して見えないときがありますよね。今までの液晶であれば画面を明るくすることで改善ができたのですが、有機ELはもともと液晶よりも光が弱いためその場での改善が難しいです。
iPhoneで有機ELを採用するときにはどうにかしてここの改善を望みたいですね。
デメリットでご紹介をした3点、確かに現状であれば少なからずデメリットになりますが、今後開発が進むにあたり改善されていく可能性が高い点ばかりですから長く見積もれば難点ではないと思います。
また、現在発売されているテレビは有機ELよりも液晶のほうが消費電力が低いと書きましたが、これも現状のみです。今後液晶よりも更に低消費になる可能性は十分あり、将来的に長く見ると有機ELに切り替えた方が可能性は広がりそうです。
そしてスマホ業界の今後ですが、アップル社が2015年に【従来の液晶パネルに加え、有機ELを搭載する製品を3年後に発売する計画である】と発表をしています。
その「3年後」がすぐ間近に迫っていますので着々と準備が進んでいるのではないでしょうか。来年の新機種が今から楽しみです。また、韓国大手メーカーのSAMSUNGが既にスマホに有機ELを導入していますので、今後さらなる競争のために他メーカーも展開していくのではないでしょうか。
各メーカーがメリットをどれだけ伸ばせるか、デメリット部分をいかに改善できるかが見所になります。
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