Apple Watchが気になっている方、少なくないと思いますが、いまいち購入を決断する決め手に欠ける…と、未だ迷い悩まれている方もまた多いと思います。
Apple Watchと言えば、持ち主の体調の変化を感知して緊急通報を行い人命を救ったり、本人が自覚がないのに心臓の異変の兆候を感知して診察を受けるよう促し、その結果、心臓トラブルを未然に防いだ等々の、医療的・健康的なメリットに関する報道が多いですね。
実は、筆者も「心房細動(いわゆる不整脈)」で救急搬送されたのをきっかけに、Apple Watch Series 4を購入した一人ですが、では、その後も心臓をはじめとする体調管理に役立っているのか…と言えば、応えは「NO」です。
では、Watchの再購入はない、新たなモデルに買い換える事はないのか…と言えばそんな事はなく、ほぼ確実に、ニューモデルに買い換えるはずです。
その理由は簡単です。
心臓やその他の身体的な変化云々以前にiPhoneユーザーとして言えば、本来のメイン端末であるiPhoneの使い勝手まで向上させてしまうので、いまやWatchなしの生活など考えられない程、あまりに便利過ぎるから…です。
もしかすると、iPhone本体を買い換えるより、iPhoneはそのままにApple Watchを買い足す方が、日々の生活がより便利に快適になるかもしれません。
今回は、そんなiPhone自体の使い勝手まで向上させるApple Watchのある日々をご紹介します。
画像出展:apple.com
ちなみに、筆者は充電時と入浴時を除き、就寝時も含めほとんどの時間、Apple Watchを腕に巻いています。
リチウムイオンバッテリーの正しい充電方法(※)に従って、40%程度までバッテリーが減ったら80~90%程度まで充電するようにしていますが、それに要する時間は、ほんの15~20分程度です(Series 4の場合)。
入浴が20~30分と、その他、手洗いの際などで短時間外す事はあっても、その他の時間はほぼ腕にはApple Watchがある毎日です。
筆者が日々の生活の中で、最も便利だ、これなしには生きてゆけない…と感じる機能は「通知」です。
例えば、メールの受信、LINEの受信等々を、ブルルと振動で知らせて貰う設定にしています。
メールについては、メールアドレスごとの通知・非通知が設定できるので、iPhoneで受信する複数のメールアドレスのうち、一部の緊急性のあるアカウントのみをWatchに通知するようにしています。
例えば、筆者は通信やガシェット記事の執筆を生業としていますので、仕事の依頼を受けるアドレスに着信したメールは、生活がかかっているので見逃すわけにはゆきませんし、仲の良い友人からのメールもリアルタイムで確認したいので、Watchに通知するように設定しています。
SNSについては、Facebook・Twitter・Instagramについては、さほど重要な使い方をしていないのでWatchには通知させませんが、唯一、LINEだけは幾つかの特定のトークのみ通知するように個別に設定しています。
LINEは仕事には使いませんので、家族・親族・仲の良い友人をメインに、リアルタイムで通知を受け取るようにしています。
さらに、SMSメッセージは2段階認証などが多いため、こちらもリアルタイム通知にしています。
こうして、リアルタイムで着信を気づく必要があるものに対して、Apple Watchがブルルと振動して知らせて貰うようにしておけば、メールやメッセージを見逃す事がなく、仕事の依頼も逃さずキャッチ、家族・親族・友人とのコミュニケーションも円滑になるといった次第です。
Apple Watchの通知の優れている点は、ブルルと震えて知らせてくれるだけでなく、メールやメッセージの冒頭部分を見せてくれるのが、また利便性をぐっと押し上げていると感じます。
知らせるだけなら、メールやメッセージの内容を確認するためにiPhone本体を取り出して画面を開いて確認する必要がありますが、Watchの小さな画面ながら、メールやメッセージの冒頭部分を見られるので、おおよその内容を把握でき、必要であればiPhone本体を取り出して確認・返信を行いますが、スルーしてよいものは、手が空く時までそのままにできます。
小さなことのようで、実は、この「iPhoneを見る必要がある」「必要がない」の判断をWatch上でできる事は、かなり便利さを感じる機能です。
さらに、Watchから音声による返信がかのうなので、LINEの場合には、「了解」や「OK」「後で連絡するね」等、簡単な返信をiPhone本体を開かずに行う事も可能です。
もちろん、「時計に話しかける変なおじさん」と見られないよう、時と場合を選びますが、それでも、Watchから定型文選択での返信も可能なので、iPhoneを取り出さなくても済ませられる機会は少なくありませんが、そのiPhoneを取り出す動作をしない分だけ、余計な手間と時間を使わずに済む訳で、小さいけれど、筆者が非常に便利さを感じる機能なのです。
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2019年は「スマホ決済」の年…といってもよいほど、PayPayやLINE Pay、d払い、楽天ペイ、メルペイ等が大型キャンペーンを実施、消費増税に伴う政府のポイント還元施策等もあって、広くスマホ決済サービスが認知された年だったと言えます。
筆者も、PayPayや、LINE Pay等が実施した20%還元等の大型キャンペーンは積極的に利用し、年間で、かなりの額の還元や割引等を受ける事ができ、実感としてかなりの額の「得」をしたと感じます。
しかし、筆者は2019年の秋ごろからほとんどスマホ決済を使わなくなりました。
元々、クレジットカード、そしてApple Payをメインに使っていた事もあって、大型キャンペーン終了と共に、元の鞘に収まったという感じです。
ではなぜ、Apple Payなのか…と言えば、支払いが簡単だからです。それに尽きます。
スマホ決済は、いちいちiPhoneを開き、アプリを起動、バーコードを見せて…と支払いに手間がかかります。
しかし、Apple Payなら、読取り端末にiPhoneをかざすだけで決済が完了してしまいますが、さらに、Apple Watchに使用するクレジットカードを設定しておけば、iPhoneを取り出す必要さえなくなり、腕を読み取り機にかざすだけで支払いが完了してしまいます。
電車やバスに乗る際にも、エクスプレスカード(※)に設定をしてあれば、一切の操作なく改札を通過できます。
通常、iPhone及びApple Watchでのキャッシュレス決済の場合には認証が必要ですが、鉄道の改札や、バスの乗降口では素早く運賃の精算ができなければなりませんので、1回1回の認証なしに決済できる仕組みとして「エクスプレスカード」の設定が可能となっています。
このエクスプレスカードの設定をしておけば、認証なしに改札を通過できるようになります。交通系決済の必須機能です。
Apple WatchのSuica利用で若干気になるのは、左手に時計をする人の場合には、鉄道の改札で読み取り機が右側になるためかざす際に身をよじる必要があることです(前側乗車のバスは読み取り機が左側になるので問題なく乗車できます)。
また、iPhone及びApple Watch Suicaは、街の店舗での支払いにも利用可能です。この場合には、決済ツールとしての指定が必要(店舗ではエクスプレスカード設定は効かない)です。
カードやスマホを取り出す必要なく、腕をかざすだけで決済できてしまうなんて、もう極楽と言っても良いほどの簡便さで、一度この便利さを体験してしまうと、iPhoneを取り出してアプリを開いて…など、できなくなってしまいます。
Apple Watchでのキャッシュレス決済という点では、PayPayがスマホ決済で唯一専用アプリを配布しており、バーコードを表示して店舗側のレジで読み取って貰う形でWatchのみの操作で決済することが可能(※)です。
※ Apple Watchにはカメラが搭載されていないため、店舗側のQRコードを読み取って決済する事はできません。
当然ですが、iPhone本体にインストールされたPayPayアプリと連動しており、Watchアプリは個別に動作・決済するわけではありません。(残高のチャージはiPhone本体でのみ可能で、Watchではチャージできません)。
筆者は還元率の関係で現在は利用していませんが、また大きなキャンペーンがあれば利用したいと思い、Watchアプリはのこしてあります。
上記の2つのメリットに比べるとあまり目立たないのですが、地味にiPhoneの使い勝手を向上させてくれるのが、各アプリのリモート操作です。
筆者は、以下のiPhone本体のアプリをApple Watchから操作しています。 (1) 音楽アプリ
筆者は、Apple Musicではなく、使い慣れている「Spotify」を使っているのですが、外部スピーカーでもイヤホン使用時でも手元のWatchから操作できるのは非常に便利です。
特に、混雑した公共交通の車内でiPhoneをポケットから取り出しての操作はやりにくいですし、周囲の視線も怖いですが、Watchであれば、再生・停止・送る・戻る・音量など、基本操作が手元で操作可能です。
音楽を聴く期間は多いので、Appメニューだけでなく「ドック」にも入れておいて、より操作しやすくしています。
(2) ルート案内
Apple Mapによるルート案内をリモート操作できます。検索の開始・終了はもちろん、案内履歴から目的地を選んだり、新たに場所の検索も可能です。曲がり角が近づくと、振動でキコンキコンと知らせてくれるので、運転中でもiPhoneを凝視している必要がありません。
(3) 写真撮影のリモートシャッター、シャッタータイマー
友人や家族などの集合写真の際に威力を発揮するのが、シャッターのリモート操作です。
シャッターを切ったり、3秒タイマーをスタートさせる事ができます(撮影設定はiPhone本体に従います)。
(4) LINEトークの簡易的な返信
LINEトークのうち、仲の良い友人や家族・親族などのメッセージを着信したらWatchni通知するように予め設定しておけばメッセージ内容をかくにんできるのはもちろん、iPhone本体を開かなくても、簡易的に返信することが可能です。
「これから帰ります」「(待ち合わせ場所に)着きました」「今日はありがとう」等のメッセージに対して、事前に登録してあるメッセージから選んで1タッチで返信する事ができますし、マイクのアイコンをタップすれば音声での返信も可能ですので、公共交通内での連絡や、運転中の返信等でも活用できます(車を止めてから)。
以上のリモート的な操作意外にも、iPhone本体の機能を簡易的にWatchで利用する事が多々あります。
● タイマー、アラーム
● 計算機
● 天気
● 万歩計(アクティビティ)
これらの機能は、iPhone本体から利用した方が、詳細だったり、細かな設定が可能だったりしますが、Watchからでも限られた機能で不足がないのであれば、腕を上げるだけで利用できる簡便さはウエラブルならではと言えます。
元々は、心房細動をきっかけに自らの心臓の不調を事前に把握できれば…と思って購入したApple Watchですが、もちろん、日々、心拍数などの記録を取りつつ監視してくれているのでしょうけれど、日々の生活の中では、「通知」や「リモート」といった面で、あまりに便利過ぎて手放せないアイテムとなっています。
もし、あの時、心房細動が起こらなければおそらくApple Watchを買おうとは思わなかったと思いますので、確実に救急搬送が購入のきっかけだった事は確かですが、逆に、今ではWatchなしでの生活はかなり不便を感じるのではないかと思います。
人に、いくら便利だ、使い勝手が良いと言われても、そうそう数万円のWatchを購入する気にはならないかもしれません。
でも、本当に便利だし、iPhoneの使い勝手がググっとアップする事請け合いなので、ぜひ、試して頂きたいと思います。
現在、Apple Watchは、Series 3が19,800円(税込21,780円)に値下げされており、Apple Store以外でも量販店やAmazon等でも購入でき、ポイントやギフト券等も使って、実質負担を減ずることも可能ですので、かなり買い求めやすくなっています。
「いや、お試しに2万円は高い」と思われるのであればいたしかたありませんが、少し興味があって、2万円程度の出費なら…とお思いなら。是非お試しになってみる事をお勧めします。
Apple Watchは2タイプあります。
Apple WatchにiPhoneとは別の通信機能を持たせられる「セルラーモデル」と、iPhoneとBluetoothによる接続時のみ利用できる「GPSモデル」です。
セルラーモデルは、WatchにSIMスロットが設けられており、大手キャリアでも、格安SIMでも通信会社のSIMを挿入すれば、iPhoneが近くになくても、独立して動作するモデルで、セルラーモデルであれば、Watchで通話ができたり、iPhoneを持たずに出かけても、電車やバスに乗れて買い物も決済可能です。
GPSモデルは、iPhoneとBluetoothで接続している場合に限って使用できるモデルで、単一では電話はもちろん、決済もメッセージの受信もできません。
当然ですが、セルラーモデルの方が割高な価格設定となっています。
筆者の感覚で言えば、セルラーモデルは不要ではないか…と思っています。
いくらWatchが独立して利用できると言っても、iPhoneの機能の全てを肩代わりできるわけではありませんので、近所のコンビニ程度なら可能でも、仕事などで朝から夜まで外出する際には、どうしてもiPhoneを持って出かけるはずですし、持って出かけたら常に身近に置いているはずですので、セルラーモデルである必要はないのかな…という感じです。
それに、あくまでもメイン端末はiPhoneだと思いますので、サブ機の価格はできるだけ割安であるに越した事はありません。
そんな意味からも、筆者は次期モデルに買い換えてもGPSモデルにすると思います。
Apple Watchは購入前に思っていたより遥かに便利です。
ただ、購入直後は逆に「な~んだ、この程度か」と思うかもしれません。
筆者もそうでしたが、使い込んで、様々な機能や設定を自分好みにできるようになるに連れ、便利さや使い勝手の良さがじわじわ感じられてくるといった感じでした。
今ではすっかりApple Watchのファンです。
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