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インスタントメッセージの送信などが行えるiOSアプリ、Facebook Messengerのプログラム最適化が行われました。
この最適化によってアプリのサイズは4分の1、起動の速度は2倍と大幅な改善がされたとFacebookが発表しています。
Facebook Messenger LiteというMessengerから機能削減を行い軽量化を行ったアプリがAndroid限定で公開されていましたが、iOSでは使用できませんでした。
アプリの大幅な改善・最適化
最適化が行われたMessengerはプログラムの行数が84%削減され、「170万行から36万行にまで削減された」とFacebookのエンジニアリング部門のヴァイス・プレジデントが発表しています。
この削減により、Messengerアプリは以前よりも起動速度・サイズともに大幅に改善されています。
長い期間にわたって運用されてきたソフトウェアは、機能追加やバグの修正によってプログラムの行数がどんどん増えていきます。
次々に行数を追加することで複雑化したプログラムは俗に「スパゲッティコード」と呼ばれ、皿に盛られたスパゲッティのようにロジックが絡み合って存在します。
このようなスパゲッティコードはメンテナンス性・拡張性に支障をきたすために修正を行うのが望ましいとされています。
しかし、正しく管理されなかったコードは時に無秩序化し、引継ぎがうまく行われないことでプログラム担当者ですら内容を把握できない状態になってしまうこともあるほどです。
この度最適化されたFacebookのMessengerは元々の行数が170万行と非常に大規模なコードながら、恐らくそれらが適切に管理されているために大幅な改善を行うことに成功したのでしょう。
おおまかな改善点
FacebookのiOSアプリMessengerの改善点について、エンジニアリング部門のヴァイス・プレジデントであるレイモンド・エンドレス氏は以下の3点にまとめています。
・高速化（Faster）
Messengerを起動するときの速度が高速化されています。
少しでも起動時の時間が短縮されるのはうれしいですね。
特に1日に何度も開く場合、起動が早ければ早いほどストレスなくアプリを使えます。
・縮小化（Smaller）
Messengerアプリのデータサイズが縮小されます。
iPhoneはSDカードを搭載できないためにアプリのストレージ容量は重要です。
iCloudにバックアップを取るときもiPhone内のデータ容量はなるべく小さくしておきたいですね。
また、アプリをインストールやアップデートする際のダウンロードが高速化します。
データが小さくなればキャリアの4GやLTE通信でもダウンロードが気軽に行えるようになります。
Wi-Fiが自宅にない方などに大変ありがたいですね。
・簡易化（Simpler）
プログラムが最適化されることで、上記でも説明したように拡張性が改善されます。
拡張性がよくなることでエンジニアの負荷が軽減されるほか、新しい機能を追加しやすい環境になります。
便利な新機能の追加の機会が増えることはユーザーとしても助かります。
最適化が行われ新しくなったMessengerのiOSアプリは、数週間以内にApp Storeからリリースされるとみられています。
アプリのアップデートにしたがって、現在使えるいくつかの機能が一時的に利用できなくなってしまうとしていますが、今後徐々に再度実装されていく予定です。
ソフトウェアの大幅な最適化は一般的に凄まじい工数が必要になるとされているので、この度のMessengerアプリの最適化も裏には相当な苦労があったのだと想像できます。
