フランスが感染者追跡アプリ開発に伴うBluetooth制限解除を要請

なぜ、フランス政府がAppleに対してBluetooth制限の解除を要請しているのか？これにはiOSのシステムが関係しています。

実はiOSには収集されたデータを転送する際、ユーザーのプライバシー保護の為、一部のアプリがバックグラウンドでBluetoothを利用できないようにする制限があります。現在、フランス政府が開発している感染者追跡アプリがこれにあたります
このBluetoothの制限がある場合、追跡アプリはiPhoneがロック解除されている状態なおかつアプリが開いている場合にのみBluetoothに接続ができる状態なのです。

フランスのデジタル経済大臣に任命されたセドリック・オ氏は5月11日までに感染者追跡アプリをリリースすることを目指しているものの"Appleの制限によってリリースの目処が立たない"と述べました。

また、Appleに制限解除をするように大臣は要求しているものの進展はしていないと語っています。

Appleの広報担当者はBloombergからの問い合わせにコメントをしているわけではありませんが、追跡ツールに関してAppleとGoogleのパートナーシップに関する声明を繰り返したようです。

AppleとGoogleは4月10日にパートナーシップを発表し、Bluetooth技術を利用した感染者追跡ツールを開発予定です。
両社はユーザーのプライバシー保護をしながら行うと述べています。
また、このツールでは分散方式のAPIを使用しています。その為、ユーザーは自分のデーターを匿名でアップロードし、その他の端末に発信されるといった仕組みとなっています。

フランス政府以外にもイギリス政府も独自の感染者追跡アプリ開発において、バックグラウンドのBluetoothを利用したいと考えていたようです。
その為、フランス政府と同様の問題に直面しています。

AppleとGoogleは5月に公衆衛生局の提供するアプリを利用し、Android及びiOSデバイス間の相互運用を実現するAPIのリリース予定です。その後、追跡システム自体をOSに組み込むとしています。
その為、将来的にはOSレベルでこの追跡システムの利用が可能となるようです。

このシステムがリリースされるとどういった地点で感染ルートがあるのかが確認できるようになる為、早急なリリースに期待が高まりますね。

Source:iPhoneMania
Source:Bloomberg via MacRumors