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アイフォン修理のダイワンテレコム新宿店です。
米Appleは、現地時間9月10日10時(日本時間11日午前2時)より開催した「Apple Special Event」において、2019年版の新型iPhone「iPhone 11」を発表しました。
発表されたiPhone 11は、2018年版iPhoneの「XS」「XS MAX」「XR」の後継機に当たる3機種で、各々の名称は「iPhone 11(XR後継)」、「iPhone 11 Pro(XS後継)」、「iPhone 11 Pro MAX(XS MAX後継)」です。
iPhone 11をレギュラーモデルの位置づけに置き、iPhone 11 Proと、iPhone 11 Pro MAXは上位機種の扱いとなり、各々の立ち位置が変更されました(2018年版ではXSがレギュラーモデルで、XRが廉価版の位置づけ)。
2019年版iPhoneは、ハードウエア的に大きな変更は多くなく、カメラの進化が特徴的です。
また、全モデルで2018年版を下回る価格設定とし、低価格化が顕著に表れています。
iPhone11 Pro | iPhone XS | 項目 | iPhone 11 | iPhone XR |
---|---|---|---|---|
144.0×71.4×8.1 | 143.6×70.9×7.7 | サイズ | 150.9×75.7×8.3 | 150.9×75.7×8.3 |
188g | 177g | 重量 | 194g | 194g |
5.8インチ | 5.8インチ | 画面 | 6.1インチ | 6.1インチ |
A13 Bionic 3rd Neural Engine |
A12 Bionic 2nd Neural Engine |
チップ | A13 Bionic 3rd Neural Engine |
A12 Bionic 2nd Neural Engine |
12MPトリプル | 12MPデュアル | カメラ | 12Mデュアル | 12MPシングル |
〇 | × | ナイトモード | 〇 | × |
4m30分 | 2m30分 | 防水機能 | 2m30分 | 1m30分 |
ギガビット級LTE | ギガビット級LTE | LTE | ギガビット級LTE | 4G LTE-AD |
106,800円(64GB) | 64GB | ストレージ 価格 |
74,800円(64GB) | 64,800円(64GB) |
122,800円(256GB) | 256GB | 79,800円(128GB) | 69,800円(128GB) | |
144,800円(512GB) | 512GB | 90,800円(256GB) | - |
レギュラーモデルの位置づけ「iPhone 11」
スペシャルイベントのiPhoneの発表で、最初に紹介されたのはレギュラーモデルの位置づけとなった「iPhone 11」でした。
iPhone 11は、iPhone XRの後継モデルですが、チップが「A13 Bionic」になり、カメラがデュアル仕様になる等の進化もあった一方、ディスプレイは「Liquid Retina HDディスプレイ(液晶)」に据え置かれるなど、上位モデルの「Pro」とは異なる仕様とされた部分もあります。
iPhone 11の最大の特徴は、デュアルレンズ構成となったカメラ機能の充実・進化で、公式のWEBでも大きな割合を割いて訴求しています。
暗所での撮影に威力を発揮する「ナイトモード」が新たに搭載された新カメラシステムについて、Appleは「下手な写真を撮るのが、さらに難しくなりました」としています。
ハイエンドの位置づけとなったiPhone 11 Pro
従来はiPhone XSがメインモデルで、MAXが上級機、XRは廉価版の位置づけでしたが、2019年モデルから、メインモデルはiPhone 11となり、XSの後継機であるiPhone 11 Proはその名が示す通り、プロ仕様のハイエンド機の位置づけとなりました。
当然、1秒間に1兆回の計算が可能なA13 Bionicチップの搭載や、iPhone 11シリーズは全体としてカメラ機能・性能の向上を図っていますが、その他のハードウエア部分での大きな違いはありません。
Proという名称が与えられ、名称にはさらなるプレミアム感が付加されましたが、価格は2018年モデルよりも値下げされており、高級そうな名称と、思いのほか割安な価格設定がこの2019年モデルの最大の特徴かもしれません。
低価格化へのシフト
今年春~夏にかけて、「iPhoneが欲しいがお勧め機種は?」という相談を何人かの知人から受ける事があり、そのたびに、「急がないのであれば、2019年新型発表のタイミングで値下げされるであろうXR」と答えてきました。
84,800円のプライスタグが付くiPhone XRは、例年のパターンで行けば、新モデルが発売されるタイミングで、約1万円の値下げが見込めますが、2018~2019年のAppleの販売不振を勘案し、Appleが少し販売台数を伸ばしたいと思えば、84,800円のXRで15,000~20,000円の値下げを実施し、69,800円~64,800円程度の価格するのではないか…と考えていました。
6万円台であれば、まだホームボタンを備えた前世代のiPhoneの新型発売時の価格帯ですので、全画面モデルが6万円台であれば、充分に戦闘力を身に付けられると考えたからでした。
ところが蓋をあけてみて、もうビックリです。
読み通り、旧型となったiPhone XRは、例年の1万円を上回る値下げが行われ、64GBモデルで64,800円と良い方の予想がバッチリ当たった訳ですが、残念ながら、64,800円(8%税込69,984円)のiPhone XR 64GBがお勧めモデルか?と言えば、そうではありませんでした。
なんと、2019年版の新型iPhone 11自体が値下げを実施し、非常にリーズナブルな価格となりました。
- 64GB … 74,800円(8%税込 80,784円)
- 128GB … 79,800円(8%税込 86,184円)
- 256GB … 90,800円(8%税込 98,064円)
1年落ちのiPhone XR 64GBで64,800円か、最新モデルのiPhone 11で74,800円か、悩ましいところです。
さらに、ストレージが倍でも5,000円しか変わらない128GBの79,800円も充分射程範囲内です。
ちなみに、過去のiPhoneの発売当初の価格は以下の通りです。
- iPhone 6s(16GB:86,800円、64GB:98,800円、128GB:110,800円)
- iPhone 7(32GB:72,800円、128GB:83,800円、256GB:94,800円)
- iPhone 8(64GB:78,800円、256GB:95,800円)
各モデルでストレージが異なるので、ストレージ最小モデルの価格を1GB当たりのコストに換算してみると、驚くべき結果となります。
- iPhone 6s(16GB:86,800円→5,425円/1GB)
- iPhone 7(32GB:72,800円→2,275円/1GB)
- iPhone 8(64GB:78,800円→1,231円/1GB)
- iPhone XR(64GB:84,800円→1,325円/1GB)
- iPhone 11(64GB:74,800円→1,168円/1GB)
なんと、ストレージまで勘案し、1GB当たりのコストで比較すると、過去の3世代のiPhoneと比較して最新モデルであるiPhone 11は最も価格の安いiPhoneと言う事になります。
こうなると、価格が最も安いからといって、安易にiPhone XRがお勧めだとは言いにくいものがあります。
コスパの面から勘案すれば、1GB当たりの単価が最も割安なiPhone 11がお勧め機種と言えるのかもしれません。
販売不振対策への対応策か
Apple iPhoneは、2018年~2019年にかけての米中貿易問題や、米政府によるHuaweiへの制裁への中国国民の報復行動、さらには、日本での分離プランや値引き額制限などの影響を受け、販売面で厳しい状況に置かれています。
さらに、昨年発売されたiPhone XRは「廉価版」という位置づけにも関わらず、最安モデルでも84,800円という高額なプライスタグが与えられており、Appleが望むような販売数を得られなかったと言われます。
そうした観点からか、2019年版iPhoneは、上位モデルであるiPhone 11 Pro/Pro MAXも含め、3機種全てが前身モデルよりも価格が低く抑えられました。
特に、2019年モデルからiPhoneのレギュラーモデルの位置づけを与えられたiPhone 11は、その価格設定の安さや、コスパの良さが際立っています。
2019年のiPhoneは、5G対応も間に合いませんでしたし、ノッチレスのディスプレイも採用されず、噂されていた充電機能やペンシル対応なども見送られた事から、販売面であまり期待できないと見る向きもありますが、ハイエンドな機能・性能は求めず、日々の利用の中で通常の使い方をするユーザーにとっては、まさに「お買い得モデル」といえる存在です。
iPhone 11は、事前の下馬評に反して、人気モデルになり得る可能性を持っていると筆者は考えます。
iOS13によるソフトウエア由来の新機能に期待
前述のように、iPhone 11は、CPUやカメラの進化以外の部分では、あまり大きなハードウエアの変化はないと言えます。
悪く言うと「代わり映えのしない」という事になりますが、それに対して、iOS13はかなり様々な変化や新機能をもたらしてくるオペレーション・システムです。
iOS12 Bionicも処理速度のスピードアップを主眼に、特に旧モデルでの動作速度アップに貢献したiOSでしたが、iOS13はさらにスピードアップしており、例えばアプリの起動速度で2倍、Face IDの認証で30%のスピードアップを実現しています。
本格的なダークモードを搭載
Androidスマホではすでに一般的ですが、iPhoneとしては初めて本格的なダークモードを利用可能になります。
ダークモードの本来の目的は、夜間など周囲が暗い環境で、通常のUIでは明るすぎて見づらいところ、明るさを落として見やすくする事です。
副次的なメリットとして、有機ELディスプレイ(iPhone 11 Pro/Pro MAX)搭載機のバッテリー消耗を抑える効果があります。
有機ELディスプレイは、「黒色」を表現する際に、素子を発行させない事で表現するため、その分、バッテリーが消耗しないと言う訳です。
Apple IDでログインする「Sign in with Apple」
WEBサービスにアクセスした際に「Facebook(のID)でログイン」や「LINEアカウントでログイン」等の表示が出る事がありますが、本来、FacebookやLINEだけに収まっているべき登録情報が、別のサービスに開示されてしまっている…という点で、セキュリティ面であまり褒められた仕組みではありません。
iOS13で利用可能になる「Sign in with Apple」は、そうしたWEBサービスのログイン情報を、全て「Apple ID」に置き換える事ができるサービスです。
「Sign in with Apple」では、ユーザーがAppleに登録している個人情報を一切外部に開示する事なく、個別に生成される架空のIDはメールアドレスで登録する事ができる上、ログイン情報はiPhoneが覚えてくれているので、ID/パスワードを覚えておく必要さえないと言えます。
その他にも注目機能が目白押し
- 〇 知らない相手からの電話はスルー、メールにはブロック
- 〇 バッテリーを保護して寿命を延ばす充電
- 〇 モバイル通信の通信容量をセーブする「ローデータモード」
- 〇 Apple Mapの進化
- 〇 ポートレートモードの進化
- 〇 撮りためた写真の分類が簡単になる機能
- 〇 Car Playが進化
ざっと列挙するだけでもこうした新機能や機能の進化がiOS13によってもたらされます。
これらの機能は、iPhone 11以外の旧モデルでも利用可能です。