Google Pixel 4実機レビュー⑥
【Pixel 4 vs iPhone 11ナイトモード比較編】
Google Pixel 4 実機レビューの第6回目は、Pixel 4とiPhone 11のナイトモード(夜間撮影)写真を比較してみました。
夜間の駐車場で同じ場所で、できるだけ同じアングルで時間を置かずに連続して撮影しています。
カメラの設定は各々の機種のデフォルト設定のままで、写真自体は画像ファイルの縮小以外の加工は一切加えていません。
少ない画像点数ですが、Google Pixel 4とApple iPhone 11のナイトモードの違いが明確に出ていました。
Pixel 4
iPhone 11
こちらの画像は、Pixel 4の夜景モード、iPhone 11のナイトモードで撮影した駐車場の様子ですが、Pixel 4の方が全体的に暗く、iPhone 11の方が明るい写真となっています。
しかし、背景のマンションの廊下の証明と壁・天井などを見比べると、Pixel 4は全体的に暗いのに、白さではiPhone 11よりも白く写っており、少々不自然さを感じます。
駐車しているクルマのフロントグリルなどを見ると、iPhone 11の方が若干、解像力が高くきちんと写し取っているように見えます。
また、奥側の駐車場照明の逆光の位置になるクルマ2台が、Pixel4では暗くて、ヘッドライト回り以外の部分が黒い塊感があり、クルマの表情をあまり見る事はできませんが、iPhone 11ではもう少しニュアンスが伝わってきているように感じます。
最奥の明るい場所の2階部分にある窓では、Pixel 4では若干、フォーカスの甘さも感じられます。
Pixel 4
iPhone 11
こちらの写真では明らかに明るさが違います。
Pixel 4の写真では暗くて、くるまのナンバーが読み取れませんでした。
実際には、Pixel 4の写真ほど暗くはなく、車のナンバーも肉眼で読み取れる程度ですが、かなり暗く写っている事がわかります。
逆に、iPhone 11の写真は、ここまで明るくはない印象ですが、暗い場所を明るく、モノを判別できるように撮影するのがナイトモードであるならば、こうした写り方でも正解かもしれません。
駐車場上の斜面は草原になっていますが、Pixel 4では草が生えている事さえ識別できず、ほぼ黒塗りとなっていますが、iPhone 11では雑草がびっしり生えている事が分かるだけでなく、草の1本1本の存在感が伝わってきます。
また、斜面上部に立つ木の幹が2本である事も、一戸建ての家の屋根が手前と奥側で2重になっている事も、家に大きな開口の窓があることもPixel 4では描写できていませんが、iPhone 11でははっきり分かります。
iPhone 11では、背景の空や家やマンションも綺麗に写っており、明るいけれど、夜間に撮影した事が分かる写真になっていますし、空の色はなかなか雰囲気があって嫌いではありません。
一方のPixel 4の写真は、残念ながら、あまり好ましい印象を受けませんでした。
肉眼で見たよりも暗めに写るPixel 4の夜景モードは、どんな「意図」で設定されているんだ?と思ってしまいました。
モードの名前にもなっている「夜景」を美しく撮ると言う事であれば、周囲を暗くして、照明や光源を際立たせた方が美しくなるのかもしれませんので、そういう意図だとすれば、それはそれで意図通りの写真と言う事ができるのかもしれません。
Pixel 4
iPhone 11
こちらの写真では、さらに明るさの違いが出ています。
Pixel 4の写真では、クルマのボディが赤系色である事が辛うじて分かるだけですが、iPhone 11では、テールランプやホイールのデザインもはっきりと分かりますし、ルーフにフィン状のアンテナがある事もはっきり見えています。
クルマに詳しい人なら、iPhone 11の写真であればこのクルマの車種も分かるのではないでしょうか。
Pixel 4の写真では、こちらの写真でも、右奥のマンションの照明が際立っており、やはりPixel 4は「夜景が綺麗に写る」事を目指しているのかな…と言う気がします。
一方のiPhone 11は、暗い場所でも被写体がしっかり見える事…を目指しているのだとすれば、両機のカメラや写真に甲乙を付ける事はできません。
撮影者がどういう写真を望むのかによって、いずれの写真が「求める写真」なのか、そうでないのかでしか判断できないのかもしれません。
この記事を書いている者が、暗い場所でも明るく見やすく写る事を「善し」としているので、全体的に、Pixel 4に批判的だと言う事もできますし、iPhone 11の明るく、被写体をしっかり識別できる事を「是」としているだけかもしれません。
そう考えてみると、「ナイトモード」と、「夜景モード」という暗所撮影モードの名称の違いが、そもそも、そのモードで撮影した写真の特徴を明快に言い得ているのかもしれません。
それはつまり、もっと極端に言えば、単純にその写真が好きか嫌いか…と言う事になってしまうのかもしれません。
ただ、筆者の正直な所感を言えば、最後の写真のようなPixel 4のこうした暗い写真に意味や価値をイマイチ感じないと言いますか、通常モードで撮った写真とあまりに差がなく、もう少し、夜間モードを主張しても良いのではないか…と感じました。
全6回に渡ってPixel 4と、iPhone 11、比較する内容によってはiPhone XSも交えて比較してきましたが、如何だったでしょう。
今年発売の2機種は、1年落ちのiPhone XSと比べれば、技術の進歩における1年間の差は、非常に大きいという事を感じさせてくれました。
iPhoneファンの筆者は、「やっぱりiPhoneは毎年買い換えないとダメかも」と感じてしまいました。
また同時に、以前と比べるとAndroidの進化が著しく、かつてのような決定的な違いや差は最早存在しないと言う事も分かり、場合によっては、Androidをメイン端末にしても良い状況もあり得るかも…とも感じました。
実際には、Apple Watchを使用しているので、当分はiPhoneユーザーであり続けるとは思うのですが、以前は、爪の先ほどもAndroidにしてもいいかも等とは思わなかった事を考えれば、隔世の感があった比較でした。
別の事でも感じた事がありましたが、トリプルカメラで、標準レンズの他に、望遠と超広角を備えている場合は別として、今回の比較対象であるPicel 4もiPhone 11もデュアルレンズで、Pixel 4は標準+望遠で、昨年のiPhone XSと同じ構成、iPhone 11は標準(広角)+超広角の構成でした。
実際に使ってみると、望遠レンズはいくら望遠でも「超望遠」ではないので、遠くのものを大きく撮るにしても自ずと限界がありますが、逆に超広角レンズは、今までにあまり体験した事のない画角で、自分の感覚ですが「お気に入りの写真」が取れた事が新鮮でした。
Pixel 4 標準
iPhone 11 超広角
こちらの写真を見て頂きたいのですが、下がiPhone 11の超広角レンズで撮影したもので、同じ建物を同じアングルで撮影したものですが、建物全体が見え、拡がり感・解放感のある写真が撮れました。
もちろん、これも好き嫌いの話しですが、もしスマホ選びで、比較している機種がデュアルレンズ仕様の場合、標準に組み合わされているカメラが、望遠なのか、超広角なのか…で、写真撮影の際に撮れる写真がまったく変わってきますので、この辺りも機種選びの重要なポイントかな…と感じました。
もちろんスマホはカメラや写真ばかりではありませんが、少なくとも、今回の比較シリーズは機能・性能・設定などはもちろんですが、カメラや、どんな写真が撮れるのかも重視してみました。
多少なりとも、アナタのスマホ選びのお役に立てれば幸いです。