キャッシュレスが盛り上がっていますね。
2018年年末に実施されたPayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」で火が付き、2019年前半は、PayPayに加え、LINEペイ・d払い・メルペイ等のスマホ決済サービスが、20%という高還元のキャンペーンを続々展開し、そのお得感から利用者を大いに増やしました。
10月には消費税が8%から10%に増税されたのと同時に、政府によるキャッシュレス・ポイント還元事業が開始になった事で、キャッシュレスでの支払い増加にさらに拍車がかかりました。
しかし次第に、熾烈な競争を繰り広げたスマホ決済は、PayPayの一人勝ちの大勢が確定の様相で、各社とも大型キャンペーンを控えるようになり、各支払い方法本来の還元率が重要になってきています。
そういう意味では、各社クレジットカードを登録しておく事で、複数のクレジットカードで簡単に支払いができるApple Payは、クレジットカード個々のポイント還元もそのまま受けられる事で、スマホ決済の還元率が低下している中、注目されています。
さらに、大型キャンペーンで一世を風靡したスマホ決済を利用するには、スマホ画面を開き、アプリを起動し、バーコードを表示する…といった支払いまでのプロセスが煩雑で面倒だというデメリットも指摘され、一方で、iPhoneを読み取り機にかざすだけで支払いが完了するApple Payに注目が集まっています。
Appleの説明によれば、Apple Payとは「Apple Payを使えば、お店やレストラン、App内やWeb上などで簡単に、しかも安全にお支払いができます。」とあり、Apple Payは、iPhoneを介した支払ツールである事がわかります。
クレジットカードでの支払いには、サインや暗証番号の入力が必要ですが、Apple Payに本人名義の有効期限内のクレジットカードを登録しておけば、iPhoneの指紋&顔認証で簡単に支払いができます。
また、手持ちのSuicaを登録し、Apple Pay経由で支払う事もできます。
つまり、Apple Pay自体には決済機能はなく、登録したクレジットカードやSuicaの決済機能を伝達するツールに過ぎません。
ある調査によれば、キャッシュレスを利用しない理由の一つに、「初期手続きが難しい、あるいは面倒なので利用までのハードルが高い」という意見があります。
確かに、スマホ決済の利用を開始する際、まず、アプリをインストールして、利用者登録を行い、決済するクレジットカードや残高をチャージするための銀行口座を登録しなければならない等、利用するための手続きが初心者にはハードルとなる場合があります。
また、スマホ決済は各社各サービスで、アプリは別々、利用開始のための手続きもバラバラ、支払い時の操作も個別に違うなど、スマホ決済を利用しようと思うと、手続きの手間が何回も必要な上、覚えなければならない事が非常に多いことも確かです。
それに対してApple Payは、キャッシュレス・ツールとして利用する際に、何か特別な契約や設定は必要ないため、利用するためのハードルが低いという特徴があります。
登録可能なクレジットカードであれば、登録方法は全て同じですし、一旦、登録したクレジットカードであれば、カードごとに支払い方法が異なる事はなく、決済したいカードを選んだあとは、全て同じ動作で支払う事が可能です。
利用開始までの手続きの煩雑さや、利用開始後の支払方法が各サービスで異なるスマホ決済と比較すると、Apple Payの葉^ドルの低さや、利用の容易さは特筆でき、Apple Payが初心者にもお勧めのキャッシュレス・ツールである所以です。
Apple Payは、上記の図のマークがある店舗で利用する事ができます。
時々勘違いされている方がいますが、最終的にはクレジットカードで決済しますが、支払う際には、直接クレジットカードで決済ではなく、「iD」「QUIC Pay」というポストペイ型電子マネー(※)で支払います。
⦁ポストペイ型電子マネー
一口に電子マネーと言っても、予め残高をチャージしてから支払うプリペイド型と、クレジットカードで後払いとなるポストペイ型があり、EDY、nanaco、WAON、Suicaなどはプリペイド型、iDとQUIC Payがポストペイ型になります。
Apple Payで利用できるプリペイド型電子マネーは唯一Suicaのみとなっており、クレジットカードは、iDとQUIC Payのいずれかに分類されて使用します。
Suicaはプリペイド型ですし、クレジットカードとは別の独立した電子マネーですので、他と混同する事はありませんが、クレジットカードは、Apple Payに対応しているが否かの違いと、必ずiDとQUIC Payのどちらかに分類される事で使える・使えないがあり、難しいと感じる部分があるかもしれません。
「iD」は元々、QUIC Payの開発に関わっていたNTTdocomoによるポストペイ型電子マネーサービスで、初サービスが三井住友カードiDだった事から、iDはVISAというイメージが強く、片や「QUIC Pay」は、JCBが開発したポストペイ型電子マネーなので、JCBのイメージが強いのですが、Apple Payの区分けはこのイメージと異なる場合があります。
カードブランド | 国際ブランド | Felica |
---|---|---|
三井住友カード | VISA/MASTER | iD |
カード | VISA/MASTER | iD |
ソフトバンクカード | VISA | iD |
イオンカード | VISA/MASTER/JCB | iD |
ライフカード | VISA/MASTER/JCB | iD |
ポケットカード | VISA/MASTER/JCB | iD |
JCBカード | JCB | QUIC Pay |
AMERICAN EXPRESS | AMEX | QUIC Pay |
MUFG・ニコスカード | VISA/MASTER | QUIC Pay |
DCカード | VISA/MASTER | QUIC Pay |
VIEWカード | VISA/MASTER/JCB | QUIC Pay |
Yahoo!カード | VISA/MASTER/JCB | QUIC Pay |
楽天カード | VISA/MASTER/JCB | QUIC Pay |
ORICOカード | VISA/MASTER/JCB | QUIC Pay |
セゾン・カード | VISA/MASTER/JCB/AMEX | QUIC Pay |
UCカード | VISA/MASTER | QUIC Pay |
auカード | VISA/MASTER | QUIC Pay |
リクルートカード | VISA/MASTER/JCB | QUIC Pay |
MIZUHOデビットカード | JCB | QUIC Pay |
こうして各カードのiD/QUIC Payの分類を見てみると、提携国ブランドとは無関係に、カード発行会社によって区分けされている事がわかります。
本来の決済方法を開発・サービス提供しているNTTドコモのdカードが「iD」で、JCBカードが「QUIC Pay」である事は当然ですが、それ以外のVISA/MASTER/JCB/AMEXの提携ブランド表示は、iDとQUIC Payの区分けには無関係で、この辺りが少しわかりにくいイメージがあります。
JCBブランドが付いたカードでもiDだったり、VISAブランドなのにQUIC Payなのは若干違和感があるかもしれませんが、できれば、iDで支払えるカードを1枚、QUIC Payで支払えるカードを1枚、登録しておくと、どちらのマークがあるお店でも利用する事が可能です。
支払う際には、「Apple Payで」と申告しても通じない場合が多いので注意が必要です。
前述の通り、Apple Pay自体は支払い機能を持っていないので、決済時には実際に決済を行う「iDで」または、「QUIC Payで」と申告する必要があります(Suica利用時も同じで「Suicaで」と申告します)。
実際の支払い時には、カードを最前面にする事で、支払いに使用したいカードを指定します。
その際に、カードによってiD・QUIC Payのいずれかが表示されますので、使用可能な決済方法でなくてはなりません。
支払い方法・カードを指定したら、読み取り機にかざし支払いを行います。
その際に、iPhone 8まではホームボタンに指紋登録した指を乗せ「指紋認証」を行い、iPhone X以降のモデルは、インカメラに顔を向ける事で「顔認証」を行った後、代金支払いの手続きが実行され、支払った金額は後日、クレジットカードから請求となります。
カードの登録や、指紋・顔の生体認証のための諮問・顔の登録を済ませてしまえば、いくつもの手順を踏まなくてはならないスマホ決済に比べ、はるかにアクション数が少なく簡単に支払う事が可能です。
前述の通り、Apple Payは直接クレジットカードで支払うのではなく、ポストペイ型の電子マネー「iD」「QUIC Pay」を介して支払い、後日、クレジットカードで清算する形になりますので、VISA/MASTER/JCBカードの取り扱い店の全てでApple Payを利用できる訳ではありません。
VISA/MASTER/JCBのクレジットカードは利用できても、「iD」「QUIC Pay」を利用できる店舗が意外に少なく、Apple Payで支払いたいのに支払えないといった場面も少なからずあるのは残念なところです。
コンビニやスーパー、ドラッグストアなど、チェーン店であればほとんどの店舗で利用可能ですが、個人商店などでは、クレジットカードは使えても電子マネーはNGというお店が少なくありません。
この辺りは、クレジットカードには長い歴史がありますが、電子マネーはまだ生まれてから時間が経っていない事で、取扱店が少ないのはやむを得ないブブもありますが、このスマホ時代・キャッシュレス時代ですので、早急に取扱店を開拓して欲しいところです。
特に、QUIC Payは、「使えません」というお店が多いため、もっと利用可能店舗を増やして頂きたいと切に願います。
Apple Payで利用できる唯一のプリペイド型電子マネーが「Suica」です。
Suicaは誰でもご存知の非常にポピュラーな電子マネーで、JR東日本が開発・サービス提供を行っている、いわゆる「交通系」と言われる電子マネーです。
事前にチャージした金額分だけ、電車やバスに乗る事ができるのはもちろん、新幹線のチケットや、定期券の購入も可能です。
また、エキナカの店舗や、コンビニなどの街中のお店、さらにタクシーや、駐車場の料金支払いにも利用可能です。
使い方は、ポストペイ型電子マネー「iD」「QUIC Pay」と同じく、iPhoneをかざすだけで支払いができますが、「エクスプレスカード」(※)に指定して置けば、生体認証なしで決済が可能となります。
⦁ 本来のSuicaの良さは、ノンストップで改札を通過できる事ですので、電車やバスに乗る際、改札や料金支払い機で生体認証していては時間がかかってしまい、本来の良さを損ねてしまうため、「エクスプレス」に指定する事で、生体認証なしに決済を行えるようにする事が可能です。
ちなみに、「エクスプレスカード」には、Suicaだけでなく、クレジットカードも指定する事が可能で、生体認証ナシでの決済が可能になります。
先ほど記したように、iDやQUIC Payは生まれてからまだ歴史が浅い(2005年)事もあって、利用可能店舗が少ないという弱点を抱えていますが、Suicaの登場(2001年)は比較的早く、交通系という特殊性等もあって、クレジットカードやポストペイ型電子マネーは使えないが、Suicaだけ使えるというお店も少なくありません。
Apple Pay全体として考えた場合、iD・QUIC Payが使えない店舗でもSuicaが使えれば、Apple Payによる支払いが可能という事で、ポストペイ型電子マネーの取扱店の少なさをカバーする支払いツールとしても利用価値があります。
コンビニやスーパー、ドラッグストアをはじめとする、日々の生活の中でよく利用する店舗はもちろん、電車やバスなどの交通機関の利用、さらには、タクシーや駐車料金などにも、生体認証をしつつ安心に、簡単に支払いが可能なApple Payですが、その便利さはそれだけにとどまりません。
こちらは、デリバリーサービス「出前館」の、有名カレーチェーン「CoCo壱番屋」のメニューですが、店舗詳細に記された支払方法に「Apple Pay」があり、利用者がApple Payに登録したクレジットカード、及びSuicaで支払う事が可能です。
街のお店とは異なり、ネット上では「iD」「QUIC Pay」は使用できないため、「Apple Pay」での支払いとなります。
こちらは、コンビニチェーン:ローソン限定ですが、通常の「iDで」「QUIC Payで」ではなく、「Apple Payで」という事で、Apple Payでの支払いと同時に、ポンタポイントを貯める事ができます。
iPhoneのWalletアプリにポンタのポイントカードを登録しておく必要がありますが、従来は、Apple Payでの支払いの前に、っポイントカードを見せる必要がありましたが、ポンタをWalletに登録した「Apple Payで」支払えば、ポイント取得と支払いが一度で完了する事ができます。
Apple Store(実店舗・オンラインストア)でiPhoneやApple WatchなどのApple製品を購入する際にもApple Payを使用して支払う事ができます。
誕生日などに贈られた「Apple Storeギフトカード」(※)を登録して保管しておく事ができるので、デバイス購入の際に、「Apple Storeギフトカード」を併用して、Apple Payに登録済みのクレジットカード決済で購入する事ができます。
⦁ コンビニなどで販売されている「iTunes & App Storeギフト券」(通称iTunesカード)とは異なります。「iTunesカード」は、ゲームやアプリ、音楽等の購入や、アプリ内課金に充当する事ができるギフト券ですが、「Apple Storeギフトカード」は、ゲームやアプリ等には利用できず、Apple Storeでのデバイス購入に使用できるギフトカードです。
名称が似ていて分かりにくいですが、「Apple Store(アップルストア)」と「App Store(アプリストア)」が異なる事を勘案すれば区別する事ができます。
ちなみに、「Apple Storeギフトカード」は、デバイス購入の際に最大8枚まで利用可能なので、誕生日やクリスマスなどで貰ったギフト券をプールしておいて、まとめて利用する事が可能です。
そのため、自分で自分に「Apple Storeギフトカード」を贈る事も可能なので、iPhone購入のための積立てのつもりで、例えば5000円や1万円ずつ毎月自分に贈ってもよいかもしれません。
今回は、キャッシュレス時代にこそお勧めのApple Payについて解説しました。
iDとQUIC Payの区別や、支払い方などに少しわかりにくいイメージがあるApple Payですが、実は、分かってしまえばとてもシンプルで簡単な支払ツールです。
しかも、支払ごとに指紋や顔での生体認証を経由する(設定によってはパスコードでの支払いも可能)事によるセキュリティ面でのメリットも大きく、さらに、ポイントカードや「Apple Storeギフトカード」等を登録して置ける等の利便性の向上も見られます。
各社各様の仕様で、登録方法も、利用方法も、還元方法まで全てが異なり、各サービスでバラバラなスマホ決済は、使いたいスマホ決済の数だけ、使い方を覚えなければなりませんが、一旦登録してしまえば、使い方はクレジットカードでも、Suicaでも同じに使用できるApple Payは、初心者でも充分理解して利用する事が可能です。
高還元キャンペーンもなくなった今こそ、使い勝手のよいApple Payを利用されてみては如何でしょう。
source:Apple | 公式WEBサイト
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