
2017年9月、iPhoneの新モデルiPhone8とiPhoneXの発表に伴ってリリースされた最新OSのiOS11。このOSは間違いなくiPhone8とiPhoneXのためのOSであって、iPhone7以前のためのOSではありません。iPhone7以前を使用している方は、仮に毎日のように手持ちのiPhoneの設定アプリ上に最新OSのインストールを促すAppleからの赤い通知マークが表示されても音が鳴っても、どれだけしつこかったとしても、決してインストールすべきではないです。修理店を運営し、日々何台ものiPhoneに触り、何台ものiPhoneの状態を見ている私が断言します。
さらに、これまでもiOS7→iOS8、iOS8→9、iOS9→iOS10と、年に1回のメジャーアップデートのたびに不具合が報告される最新OSですが、今回のiOS11はどうやらこれまでよりも不具合の質が悪いというのがどうも気になるところです。
iOS11をダウンロードしてはいけない理由その1
iPhoneのバッテリーの持ちが著しく悪くなるからです。バッテリーの持ちが悪くなるだけではありません。充電にかかる時間も非常に長くなっています。iOS11は、これまでiPhoneにインストールしていたiOS10に比べて、シンプルに言えば、大幅に機能向上して(できることが増えて)います。したがって、iPhone7以前のモデルに搭載されている脳みそ (プロセッサ)では、iOS11という以前より大幅に向上した機能たちをコントロールしきれません。向上した機能に処理能力が追いつかないため、バッテリーをこれまで以上に消耗してしまいます。さらに、バッテリーの充電時間も大幅に伸びています。(個人的な体感では2倍以上に伸びています←iPhone7を使用)
機能向上しながらも、「効率性を高めることでバッテリーの消耗はこれまでよりも抑えられる」とも言われますが、iPhone7以前のiPhoneにiOS11をインストールすれば、初日ですぐにわかります。1週間経つと使いたくなくなってしまうほどです。
他にも、特定のアプリ使用中にアプリがシャットダウンする、特定のボタンが効かない、Wi-FiやBluetoothのON/OFF切り替えが正常に行えないなど、問題はバッテリーだけに留まりません。
iOS11をダウンロードしてはいけない理由その2
これまでのiOSは、年に1回のメジャーアップデートのタイミングで常に不具合が発生することは当たり前のことでしたが、まだ笑って済ませることができました。それは、メジャーアップデート後、すぐに問題を解消するマイナーアップデートが行われることで解決してきたからです。しかし、今回はiOS11がリリースされ、その後1週間程度でiOS11.0.1、その後またすぐにiOS11.0.2、その後またすぐにiOS11.0.3、そしてさらにiOS11.1と立て続けにマイナーアップデートが繰り返されましたが、バッテリーの消耗問題が一向に解消されていません。ここが今までとはちょっと様子が異なるところです。
今後のアップデートで解消されるのかもしれませんが、メジャーアップデートから2ヶ月が経過してもバッテリー問題が解消されないということは、「これ以上の改善は難しい」ということのような気がします。したがって、iOS11にアップデートしてバッテリーの持ちが悪くなった場合は、バッテリーを交換することでバッテリーの持ちの問題改善を期待することも非常に難しいことかもしれません。
iOS11をダウンロードしてはいけない理由その3
最後の理由は、金額は引くけれどお金に関わる問題。これはiOS11が原因とは言いきれないのですが、iOS11をインストールして初めてのTouchIDを使用した決済で実際に体験した不具合です。 検証の意味も込めて、iOS11がリリースされてすぐにiPhone7にiOS11をインストールし、iTunesで音楽を1曲250円で購入しようとしました。すると、TouchID(指紋認証)による決済は完了できましたが、音楽のダウンロードは始まりませんでした。結局その日はプレイリストに音楽はダウンロードされませんでしたが、翌日以降に購入履歴(決済内容)を確認してみたところ、やはりというか、二重決済されていました。そして、プレイリストには2曲がダウンロードされていました。 クレジットカードの重複請求などは、普段からネット通販を頻繁に使っていてもほとんど遭遇しないことですが、利用するWebサイトの決済システムによっては、無くはない話なんです。でも、そんな稀なことがiPhoneを何年も何台も使ってきて初めて起こったということ、しかもそれがiOS11をインストールした直後であったこと。この偶然、タイミングこそが、iPhone7以前のモデルにiOS11をダウンロードしてはいけない理由といえます。
実際に、最新OSを旧モデルのiPhoneにダウンロードしなくても、iPhoneは十分に使えます。多少壊れても、バッテリーの持ちが悪くなったり、画面が割れたりしても、直せば十分に使えます。iOS11は、iPhone8やiPhoneXを使うユーザーのためのもの。少なくとも今の時点でiOS11をインストールするなら、いつでもiPhoneを買い換えられる状態になってから、がオススメです。