
iPhone修理のダイワンテレコム梅田店です。2018年に発売されたiPhone XS/XS Maxと10月26日に発売されるiPhone XRも、2017年に登場したFace IDを採用しています。ですがFace IDには、ちょっとした問題がありました。
それが「一卵性双生児」や「兄弟・姉妹」の場合、ロックが解除されてしまう「Face IDの双子・兄弟姉妹認証突破問題」です。当時、インターネットでも話題になり、YouTuberでも、いろいろなケースでロックが解除されるかやってみた動画を公開していました。
この大きな問題に発展した認証問題は、最新モデルでは解決しているのでしょうか。
Face IDの双子・兄弟姉妹認証突破問題は解決されているのか?
Face IDはTouch IDよりも精度が高く、安全にiPhoneを守ることができるということを2017年に開催されたAppleスペシャルイベントの中で自慢げに発表していました。あれから約1年が経過した現在、iPhone XS/XS Maxにも搭載されたFace IDは、双子や兄弟・姉妹を区別できるようになっているのでしょうか。
実際に双子の兄弟がiPhone XS Maxを使って、Face IDの精度がアップしていることを確認した動画を公開しました。動画の中では双子の兄弟がiPhone XS Maxの開封シーンから、Face IDの登録の様子を撮影し、その後、Face IDでのロック解除が可能か3つのテストを実施しています。
テスト1 普通にロックが解除できるのか
1つ目は、Face IDを兄さんが登録し、一度ロックを解除してみせます。なにも問題なくロック解除ができることを確認したら、弟さんにバトンタッチ。弟さんがロック解除すると、普通にロックが解除されてしまったのです。iPhone Xと同様、双子の区別はつかない事がわかりました。
この双子は更に次のようなテストをしてみました。
テスト2 ひげのある・なしで解除できるのか
今度はひげがあるかないかで、認証が突破されてしまうのかを確認しています。兄さんはひげを剃っていますが、弟さんはひげを伸ばした状態でロック解除を試みます。これも何もトラブルことなく、ロック解除に成功しています。
テスト3 帽子をかぶっても解除できるのか
最後のテストでは、帽子をかぶった状態でFace ID認証できるか確認しています。帽子をかぶっていない時にFace IDを登録しているにもかかわらず、簡単に兄弟で認証を突破しています。
Face IDの場合、メガネや帽子などの影響は受けないといわれていました。Face IDは顔に赤外線のドットを全体に照射し凹凸をデータ化させ、そのデータを読み取るような仕組みになっているため、メガネやひげ、髪型などの影響を受けないとAppleは説明しています。
ですがマスクをした場合については、顔の凹凸がマスクによって隠されてしまうため、顔の情報をデータ化することができず、マスクをしているとロック解除することができないのです。
マスクをした状態では認証できない現象を、解決するかもしれない新機能が、iOS12から搭載されるようになりました。それが「もう一つの容姿を設定」です。でもマスクをした状態では、Face IDの登録自体できないのです。
結局、Face IDの双子・兄弟姉妹認証突破問題は最新のiPhone XS Maxでは解決されていませんでした。おそらく同じ仕様のiPhone XSやXRも同様に解決されていないでしょう。
Face IDの今後の課題
Face IDでは突破されてしまう認証も、Touch IDなら双子や兄弟・姉妹であっても、認証を突破することはありません。ただTouch IDには寝ている間に指を使われてしまうと、ロック解除ができてしまうため、一時期ネットでも騒然となったことがありました。
この点に関してはFace IDの場合、iPhoneの画面をちゃんと見ないとロックが解除できないという機能が有効になっているので、目をつぶっている状態ではロック解除ができません。
でも双子や兄弟・姉妹での認証が突破されてしまう件は、別の認証方式を採用するかTouch IDとFace IDを共存させるか、Appleがすでに特許申請した顔の皮膚表面下にある血管パターンを検出する「パルス放射線の検出を用いた静脈撮像」を採用するのか、何かしらの対策を迫られてくるでしょう。