iPhone XS/XS MAX/XRにおいて、ポートレートモード撮影時に被写界深度をコントロールできる機能がiOS12.1の目玉機能の1つとして実装されました。
しかし、撮影時に被写界深度を調整した写真でも、保存後に写真アプリの編集から、再度被写界深度の調整が可能で、撮影時の調整とは無関係にF1.4~F16の間で新たに被写界深度を変更できます。
だとすると、撮影時に調整できるようにした理由は何でしょうか。
撮影時・撮影後いずれでも調整幅は同じ
実際にカメラをポートレートモードで起動すると、画面右上に現在の被写界深度(F値)が表示されます。
ここに表示される被写界深度は、前回使用したF値が表示されます。
こちらは、撮影時に被写界深度が表示されたまま調整せずに撮影した際の、F16の状態のカメラ画面のスクリーンショットと、その状態から実際に撮影した写真です。
奥の猫の置物の表情まで分かる被写界深度の深い写真になっています。
一方、こちらは被写界深度を最も浅いF1.4にした場合です。
画面で右上のF値の表示をタップすると、コントローラーがシャッターボタンの上に表示され、任意の深度に変更・調整して撮影する事ができます。
スクリーンショットでは、被写界深度コントローラーを表示しています(右上のF値は消えます)。
こちらは、撮影時に被写界深度を最も浅いF1.4に調整してから撮影したもので、背景はほとんどがボケて、背後の猫の置物は表情どころか存在さえ分からなくなっています。
最後にこちらの写真を見比べてください。
これらは、撮影時に未調整でF16で撮影した写真と、リアルタイム調整でF1.4に調整して撮影した写真を、後から写真アプリの編集によってF5.0に調整し直したものです。
背後の猫の置物のボケ具合は全く同じで区別がつきません。
※写真の区別は、各々の画面左下のソファのシワと、画面下端との距離で分かります。
つまり、撮影時に被写界深度を調整しても、しなくても、ポートレートモードでさえ撮影して置けば、後から写真アプリの編集で、撮影時に調整したのと同量の深度幅で調整できるという事です。
新搭載の撮影時の被写界深度コントロール、いったいどんな使い方をすると活かすことができるのでしょうか。