2018年11月12日、米アップルの株価は4%下落し195ドル辺りに落ち着きましたが、これは、期待したほどの販売数を生み出せていないiPhone XRを筆頭に、iPhone全体の販売数が減衰している事が誘因となっているようです。
サプライヤー各社が売り上げ予想を下方修正
iPhone向け部品を供給するLumentum (ルメンタム) Holdings Incは、SESAM技術を用いたパッシブモードロック・ダイオード 励起(れいき)固体レーザーの専門メーカーで、FaceIDのテクノロジーの主要サプライヤーですが、4億500万~4億3,000万ドル(日本円で約463億円~491億円)と見込んでいた売上予測を下方修正し、3億3,500万~3億5,500万ドル(約382億~405億円)としました。
米メディアReutersによれば、前回の見積りよりもiPhoneが1800万~2000万台削減されたとLumentumでは見ているとの事です。
また日本のジャパンディスプレイはスマートフォン需要の低迷を見通しており、英国のチップメーカーIQE Plcも今年の財務実績が大幅に低下すると見ていると言います。
また、日本メディア~日経は、AppleがiPhoneの組み立てを請け負うFoxconnとPegatronに対して、2018年モデルの中で最も安価なiPhone XR専用の生産ラインの計画を中止するように指示したと報じています。
Appleは自社の将来を見誤った?
Appleは、スマートフォン市場において、買い求めやすい価格帯の端末を数多く販売するよりも、高額端末を小量販売する事で、売り上げ・利益追求型のビジネスモデルを目指したと思われますが、2017年発売のiPhone Xも、2018年発売のiPhone XS/XS MAX/XRも、そのやり方が妥当ではない事を表しているようです。
iPhone Xの時にも、iPhone XRの時にも、メインで売れたのはiPhone8/8Plusでした。
ホームボタン装備の最終モデルという意味合いもあるでしょうし、4.7インチが現行機種の中で最も小さなiPhoneであるという意味合いもあるかもしれませんが、やはり、値下げされて購入しやすくなった価格が最大の理由ではないかと考えられます。
あんなにiPhoneの人気が高く7割に迫るシェアを誇った日本市場でさえ、直近データではAndroidスマホに販売シェアで追い付き追い越されてしまっています。
もちろん、Androidスマホにも高級機はありますが、安価な普及機から、価格と性能がバランスした中級機など幅広い選択肢からユーザーは自分の好みに応じて端末を選ぶことができる事は非常に大きいはずです。
廉価版と位置付けたiPhone XRが8万円超えという事について、Appleは再考の余地があるように感じます。
今こそ、お蔵入りにしたiPhone SE-2の出番なのかもしれません。