格安SIM乗換え時の負担を軽減するトリプル・キャリア

大手キャリアから格安通信サービスへの乗換え時に障壁となることが2つあります。1つは、電話番号を移転する「MNP」と、もう1つは利用中のスマホ端末の「SIMロック解除」です。

料金が安いのは分かっているのだけれど、いざ乗り換えようと思うと、乗換えたい気持ちはあるのに、それを実行させない2つの大問題、「MNP」や「SIMロック解除」をしなければならないため、それが億劫で乗換える気にならないという現実があります。

しかし実は、「MNP」自体はそう面倒ではありません。

「MNP予約番号」を取得し、有効期限（15日間もある）に注意しつつ、格安通信サービスに申込む際に「予約番号」を記載するだけです。

問題は、「SIMロック解除」です。

昨今、「iPhoneが売れない」というニュースをよく耳にしますが、その原因は、iPhone自体が高価だという理由もありますが、ユーザーが1台のスマホを大切に長く利用する傾向になってきた事も大きいと言われます。

しかし、NTTドコモ・au・Softbankの大手キャリアで販売されたスマートフォンは、「SIMロック」がかけられていて、他社の通信回線では利用できなくなっています。

大手キャリアで購入したスマホをそのまま利用して格安通信に乗り換える場合、プランや料金、サービス内容等から「ここがいい」と格安通信会社を選んでも、通信回線が異なるとスマホをそのまま利用できない…という不都合が起こります。

つまり、前述の「SIMロック」を解除しなければ、他社回線のサービスでは利用できないためです。

この「SIMロック」を解除する手続きを「SIMロック解除」と言い、各キャリアショップへ持込んで解除して貰う(解除料3,000円)か、WEB上で自ら手続きを行う必要があります。

しかも「SIMロック」は全てのスマホが解除できる訳ではなく、発売された年月日で解除の可否が分かれますし、購入者本人でなければ解除できない場合があるなど、複雑なルールが色々と付帯しているため、多くのユーザーが「SIMロック解除」が面倒、億劫と感じるわけです。

そんな「SIMロック解除」の問題を一気に解決するのが、最近増えている「トリプル・キャリア」です。

トリプル・キャリアとは、NTTドコモ・au・Softbankの3社の回線サービス全てを提供する格安通信会社のことで、複数回線を扱うという意味のマルチ・キャリアの1種です。

大手キャリア3社全ての回線サービスがあるので、どの大手キャリアから乗り換えても、同じ回線サービスを選べば「SIMロック解除」なしに格安通信サービスを利用する事ができるわけです。

トリプル・キャリアであれば、転居などで電波状態が変わってしまった場合でも、他社へ乗り換える必要はなく、同じ通信会社内で3つの通信回線のサービスに切り替える事ができますし、新たなスマホを購入すれば(格安通信のスマホはSIMフリー端末です)、好きな回線を利用することができます。

現在、トリプル・キャリアは2社あり、今後、トリプル・キャリアとなる予定が1社あります。

QTmobile

国内初のトリプル・キャリア(※)で、九州電力グループの通信事業会社である「QTネット」が運営するモバイル通信サービスで、九州地盤ですが全国から利用可能です。

ドコモ・au・Softbank3社で、通話SIM・データSIMを契約できます
mineo

関西電力グループの大手通信事業者「ケイ・オプティコム」が運営するモバイル通信サービスです。

au回線からサービスを開始し、後にドコモ回線・Softbank回線を加えてトリプル・キャリアとなりました。ユーザー・コミュニティが活発に活動しています。
LINEmobile

現在、ドコモ回線とSoftbank回線サービスを提供するマルチ・キャリアですが、2019年前半のau回線サービス提供開始を発表していますので、近々、トリプル・キャリアになる格安通信会社です。

2018年春にソフトバンクのグループ会社になりましたが、au回線サービスを新たに開始するそうです。

※mineo(2018年9月)が「業界初のトリプル・キャリア」を名乗っていますが、トリプル・キャリアという言葉を使ったのが最初という意味だろうと思います。実際に3キャリアの回線の取扱いは半年以上もQTmobile(2018年2月)が先でした。

「SIMロック解除」が面倒だと思われる方は、乗換え先に、格安通信サービス乗換え時の「SIMロック解除」の手間と負担を軽減してくれるトリプル・キャリアを検討されては如何でしょう。

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