PayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」第1弾では、還元額の大きさで大きな話題となり、スマホ決済やコード決済の認知度を一気に広めた一方で、クレジットカードの不正取引によるリスクに関しても多くの注目を集めました。
第1弾キャンペーン実施時は、なんと0.996%とほぼ1%(100件に1件)の高確率でクレジットカードが不正利用されていました。
不正発生率 | |
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「100億円あげちゅうキャンペーン」 (2018/12/4~12/13) |
0.996% |
本人認証サービス(3Dセキュア)導入後 (2019/1/21~5/13) |
0.003% |
「第2弾100億円キャンペーン」 (2019/2/12~5/13) |
0.0004% |
こちらは、PayPayが発表したクレジットカードの不正利用発生率です。
PayPayでは、2019年1月から「3Dセキュア」の導入など、不正利用対策を講じた上で、2月から「100億円あげちゃうキャンペーン」第2弾を実施、つい先ごろ5月に終了するまでの3カ月ほどの期間でのクレカの不正利用率を0.0004%(100万件に4件)にまで圧縮できたとの事です。
もちろん、「3Dセキュア」の導入などの対策も効果を表したものと思いますが、やはり、第1弾と第2弾の大きな違いは還元額の違いでしょう。
第1弾では、最大25万円もの還元を得られましたが、第2弾では、1回ごとの還元額が大幅に縮小され1,000円となり、不正利用するだけの還元を得られなくなったのが大きな原因と考えられます。
愛知県警では、PayPayで他人のクレジットカードを悪用し、35万円相当の商品をだまし取ったとして、全国で初めて、PayPayを悪用した詐欺事件を摘発されました。
逮捕された容疑者は「雇われた」と供述しており、背後には、詐欺グループが関わっている可能性もありそうです。
多くの一般ユーザーが利用する暇もなく、開始から僅か10日間で100億円が使い切ってしまった第1弾キャンペーンですが、スマホ決済をそれまで存在すら知らなかったユーザーに広く知らしめ点は「功」と言えますが、多くの詐欺事件が起こったのも事実で、「スマホ決済は怖い」というイメージを生んでしまった「罪」の部分でもPayPayは有名になりました。
5月8日に、通常時の還元率を0.5%→3%に変更したPayPayですが、こうした詐欺行為やセキュリティに関する「怖い」イメージは未だ、払しょくできていないようです。
Photo:paypay.ne.jp