2019年3月、アップルは、iPhone Xと共に製品化を公表していたワイヤレス充電マット「AirPower」の開発中止と発売の断念を発表しました。発表済み製品の撤回という異例の事態に至った理由は、アップルが求める高い品質基準を満たせなかったためとのことです。
アップルのハードウェアエンジニアリング担当上級副社長「Dan Riccio(ダン・リッチオ)」氏はTechCrunch宛メールで、「製品化に向けて努力を重ねてきたが、AirPowerは我々の高い品質基準を満たすことは困難だと結論せざるを得なかった」と語りました。
合わせて「出荷を期待していた顧客にはお詫びしたい。しかしワイヤレスはトレンドであり、アップルは今後もワイヤレス体験の向上に努めたい」とも語り、アップルがワイヤレス充電の将来に希望を持っている事も伺わせました。
アップルが、一旦発表した製品の開発をキャンセルする事は非常に稀ですが、それでもAirPowerの開発を中止せざるをえなかった事について、米誌「Forbes」が2つの理由を挙げています。
iPhoneやAirPodsのワイヤレス充電は、「Qi(チー)」を採用しているのに対し、Apple Watchは異なる規格をさいようしており、AirPowerを2つの規格のワイヤレス充電規格に対応させるためには、処理パワーやセンサーの強化が必要であり、必然的に難易度とコストが大幅に増大してしまった事だと「Forbes」は分析しています。
もう1つの理由として「Forbes」が挙げているのが、発熱・発火の問題です。
充電したいデバイスをAirPowerのどこにおいても充電できるよう、アップルは、小さなコイルを大量に使おうとした結果、iPhone、AirPods、Apple Watchを同時に充電しようとすると、AirPowerが過熱してしまう問題が生じました。
アップルは、Samsungの「Galaxy Note 7」の発火問題と同じトラブルを起こさないための研究開発に2年も費やしたあげく、最終段階でAirPower開発プロジェクトの中止を決断したと「Forbes」は論じています。
source:Yahoo!ニュース
Photo:Yahoo!ニュース
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