こんにちはダイワンテレコム渋谷店のMt.Fujiです。
iPhoneのロック解除はパスコード、TouchID、FaceIDと進化してきましたが海外で捜査機関がAppleに捜査目的でロック解除をするように要請してきた事案もいくつかありましたが今のところAppleが協力したことはないそうです。あくまでも容疑者であろうが犯人であろうがユーザーのプライバシーを守るという一貫した方針に基づく答えだと思われます。今日紹介するのは日本の捜査当局の話を紹介したいと思います。
日本の捜査当局、本人承諾なしにロック解除か
一家に一台パソコンが一人一台にそして一人一台スマートフォンというのが当たり前になってきた現在では犯人が持っていた端末の手がかりとなるケースは少なくありません。そんな中日本でも捜査当局が所有者の了解なしに民間企業と協力してiPhoneロック解除を行っていた事が判明したみたいです。
これは物議を醸し出しそうですね。
1台あたり70万円の報酬
冒頭でも触れましたがプライバシー尊重を掲げているAppleは捜査当局からバックドア（セキュリティを回避してアクセスを可能にする裏の入り口）を作ってくれという要請を以前より断ってきました。その為、捜査当局は、犯人が所有するiPhoneのセキュリティを突破する手段をApple以外で確保しなければなりませんでした。
東京新聞の報道によると、日本の捜査当局はイスラエル企業のCellebrite（サン電子の子会社）と協力し、少なくとも3つの事件でiPhoneのロックを解除したそうです。また、当局は報酬として1台あたり70万円程度の報酬金を支払っていたとの事です。
FBI VS Appleで注目を集めた企業
Cellebriteは銃乱射事件の犯人のiPhone5Cロック解除を巡って、2016年にAppleは捜査協力を拒否したことで大きな注目を集めました。この要請を拒否したことによってAppleがユーザーのプライバシーをいかに尊重しているかということをアピールした結果になったとも言えます。
この時FBIは1億円程度の謝礼金を支払ってロック解除をしたとされてますが様々な報道がされていく中でCellebriteやGrayshiftといった企業が開発したデバイスによってスマートフォンロック解除可能であることも広く知れわたることになりました。
その後、実際に米司法省やFBIなど米政府機関などがGrayshiftのiPhoneロック解除ツール「GrayKey」を購入し使用していたことから、日本の捜査当局も追従する動きを採ったのだと考えられます。
しかし東京新聞が「憲法が定める『通信の秘密』に当たる」と指摘するように、本人の承諾なくスマートフォンから個人情報を抜き取る手法は、全く問題がないと言い切れません。
しかしこういうのは「いたちごっこ」であり他企業にロック解除されてしまったAppleも黙っていません。現在のiOS12ではパスワードを片っ端から試す「総当たり法（brute forcing)」が使えないようにアップデートされているため、捜査当局が用いてきた手法は今後使用できない可能性が高いとみられています。
今回も以前の事件もそこまでテレビのニュースでも騒がれていませんでしたが、わたくし個人的には由々しき事態だと捉えております。いまでこそ高額でないと利用できないロック解除ツールも進化していき高機能でいて安価で手に入ってしまう事も可能ということです。そうなると凶悪犯のプライバシーどころか私たち一般市民のプライバシーも危うくなりかねない未来も十分あり得るという事です。この出来事はこの先のスマートフォンのセキュリティの対して警鐘を鳴らしている出来事でもあるのではないかとわたくしは思うのです。
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