
iPhone XSのサブ機として使用しているiPhone 7のバッテリーがかなり劣化してきたので、バッテリーの新品交換を実施しました。
利用したのは、Apple純正の正規修理サービスです。
ご覧のように、バッテリーの劣化は著しく、頻繁なシャットダウンこそ発生していないものの、充電量は当初の半分、持ち時間は半分以下とかなり実用性に欠ける状態でした。
もっと早く交換するという選択肢もありましたし、実際に検討もしたのですが、つい面倒くさいが先に立ってここまでの劣化状態になってしまいました。
ただ、バッテリーの劣化の進行度合いについては少し腑に落ちない部分もあって、iPhone 4sからのiPhoneユーザーである自分の感覚として、このiPhone 7のバッテリーだけ抜きん出て劣化が早かったように感じます。
俗にいう「ハズレ」バッテリーだったのでしょうか。
今思うと、交換修理に出す前にAppleサポートに相談すれば良かったかな…という思いもありますが、「まあ、ダメなものは仕方ない」と、サポートに相談する事なく交換に出してしまった事を若干後悔しています。
今回は、筆者のiPhoneバッテリー交換を事例にしながら、正規修理サービスによるバッテリー交換を詳しく解説致します。
バッテリー交換修理の方法は2通り
Apple正規修理サービスを利用してバッテリー交換を行う場合、方法を2通りから選べます。
- 最寄りのApple Storeへ自ら持込んで、交換作業を受ける方法
- 宅配配送を利用して端末の往復を行い、交換作業を受ける方法
いずれの場合もかかるコストは同じですが、ストアまでの交通費がユーザー負担なのに対し、配送交換の配送料はApple持ちとなるので、厳密に言えば、ストア持込みの方が交通費の分だけ割高と言えます。
しかし、ストアでの交換作業は当日中(数時間)に完了しますが、配送交換の場合は、1週間程度のインタバルが生じますので、僅かなコストなのか、使えない期間なのか、あるいはストアが近隣にない等で、いずれを選んでも個々のユーザーの都合や考え次第です。
Apple正規修理サービスへのバッテリー交換の申込み手順
iPhoneからの申込みの場合は「Apple Store」アプリ、PCからの場合はブラウザでApple Storeを開きます(以下はiPhoneからApple Storeアプリ経由の申込みとして解説します)。
Apple Storeアプリを開き、TOPページの右上の「人マーク」をタップし、Apple IDでログイン後、「サポートを受ける」をタップします。
ちなみにこの画面で、手持ちのApple製品が表示されますので、バッテリーを交換するiPhoneが存在するかを確認しておきます。
続けて、「Apple サポート」→「iPhone」と進みます。
さらに、「バッテリーと充電」→「バッテリー交換」を進みます。
ちなみに、バッテリー交換以外の「ディスプレイ交換」や「ホームボタン不良」等の修理は、「修理と物理的な損傷」へ進みます(今回はそちらの解説は省略しますが、修理申し込みの進め方は同じです)。
修理の際の端末をAppleサポートに渡す方法、手元に戻す方法を選択します。
「持ち込み修理」は、予め修理可能な店舗と日時を予約して、修理端末を自ら持込みます。
アプリまたはWEBから、「予約空き状況」「距離」で店舗を検索する事ができます。事例では、現在位置から10.5kmにある店舗で、18:40に空きがあり予約可能である事が表示されていますが、自分の都合の良い場所や日時で店舗を選び予約を取ります。
配送修理を選択する場合は、返送先の住所や支払方法、配送員の訪問日時の指定を行い申込みます。
前述の筆者のように後から「サポートに相談すれば良かった」と思わないよう、もし疑問や不信があれば遠慮なくサポートに話しを聞いてみるべきです。
そのために、「今すぐアドバイザーと話しがしたい」「指定した日時に電話してほしい」等の選択肢が用意されています。
必ずしも自分の望む答えばかりが得られるわけではありませんが、少なくとも、相談なしに交換してしまった後からでは何もできませんので、すべての疑問・不信は手続き前に解決しておく事をお勧めします。
この段階でもう1度ログインを要求される場合があります。
修理を希望する端末(この事例ではiPhone 7)を選び、先へ進みます。
修理完了した端末の配送先を登録し、端末集荷の指定を行います。
自分で指定した日時までに、事前に必要な準備を完了しておく必要があります(後述)。
修理代金などの必要費用が表示され、支払方法「代金引換払い」「クレジットカード」を指定します。
筆者の場合は「Apple Care+」に加入していませんが、純正バッテリーに5,400円+税で交換する事ができます。2019年1月からバッテリー交換費用が値下げされた事から、以前よりもバッテリー交換の費用的な敷居は下がったように感じます。
以上がApple正規修理サービスへの申込みの手順になります。
途中、手動で入力する部分は、クレジットカード情報を含む個人情報の部分のみで特に難しい部分はなく、必要に応じた選択肢を選んでいけば自然に修理申し込みが完了します。
ただ、繰り返しになりますが、疑問に感じている事や、不明・不審な部分はスルーせずに事前に解決しておく事を強くお勧めします。必ずしも期待通りの回答を得られない場合もありますが、親身になって相談に乗ってくれるので安心して相談してみるとよいと思います。
修理前の事前準備(重要)
持込み修理にしても、配送修理にしても、修理に出す前に事前準備を行う必要があります。
アクティベーションロックを解除する
「アクティベーションロックを解除」等と言うと難しそうですが、実は「iPhoneを探す」の機能をOFFにするだけなので簡単な操作です。
しかし、この機能をOFFにしておかないと、修理に届いたiPhoneを開く事ができませんので、必ず「iPhoneを探す」をOFFにしてから修理に出さなければなりません。
「iPhoneを探す」機能は、「設定」→「Apple ID」→「端末(詳細)」と進むとON/OFFする事ができます。
最新データをバックアップする
Appleが修理を実施する端末は全て例外なくデータが消去されるため、必ず事前に最新データのバックアップが必要です。
バックアップがない場合、アドレス帳・カレンダー・SNSログ・メール・写真/動画・ID/パスワードなど、過去のデータは全て失われ、初期化されたiPhoneを真っ新の状態から利用する事になります。
iCloudでのバックアップでも問題ないですが、PCに直接接続してiTunesを使ってPCにデータを保存する方が、より完全なバックアップを行う事ができます。
代替機を用意する
Appleストアに持込んだ場合でも数時間、配送修理の場合には1週間前後はiPhoneを利用できない期間が生じます。
数時間であれば何とか我慢できるとしても、1週間、連絡手段を持たないのはかなり厳しく、代替機は必須ですが、Apple正規修理の場合は代替機の貸出等はありませんので、必ず自分で用意する必要があります。
以前使っていたiPhoneが保管してあれば最良ですが、そうでない場合には、少なくとも、電話とSNS程度は利用可能な状態にできる端末を用意する必要があります。
筆者が、冒頭で「サブ機」という言い方をしたのは、必ず1台は旧iPhoneを残しておくためです。
新モデル購入の際にも下取りに出さず、必ず1台はiPhoneのスペアを持つようにしています。
配送修理の場合で、週間前後の空白を代替機で代用するわけですが、どの機能をどこまで肩代わりさせるかは難しい問題です。
例えば、ID・パスワードがあればどの端末からでも利用できるサービスや、SIMが入っている端末に自動的に移行する電話・SMSは問題ありませんが、LINEやスマホ決済アプリなど、登録した端末以外で利用する場合には手続きが必要な場合は、それらを全て代替機に移行してしまうと、修理端末が戻った際に、もう一度全ての移行作業を行う事になります。
端末変更手続きが必要なアプリやコンテンツは1週間程度であれば我慢する…と言う方が現実的と言えそうです。
ちなみにメールはGmailやYahoo!メールを利用している方が多いと思いますが、iPhoneに直接受するのではなく、各メールサービスのアプリで閲覧・返信等をしておけば、余計な設定が不要で利用可能です。
SIMカード・付属品を全て取り外す
修理するiPhoneの付属品の類は全て取り外します。
取り外さずに修理に出した場合、全て破棄されてしまい返却されませんので注意が必要です。
特にSIMカードは、通信会社からの貸与品ですので弁済が求められる場合がありますし、紛失・破損等の場合は再発行等の手数料が発生します。
また、費用の面ばかりでなく、修理端末が戻った際に通話・通信する事ができません
※SIMカードは、修理iPhoneを配送員に手渡す直前まで利用しているため、うっかりそのまま発送してしまう事例が少なくありません。充分に注意してください。
発送時の梱包は不要
集荷に来た宅配業者が梱包して発送するので、ユーザーでの梱包は不要です。
返送時の荷姿です。
本体のみが入る専用の箱に入って戻ってきましたが、この箱が発送時点で宅配業者の梱包によるものか、Appleからの返送時に入れられたものなのかは分かりません。
いずれにしても、発送時はiPhone本体を裸のまま渡せばOKです。
修理完了端末の返送
発送した修理端末がAppleに到着した段階で1通、修理が完了し返送された段階で1通のメールを受信し、端末の到着と返送のタイミングを知る事ができます。
こちらが新品バッテリーに交換されて戻ってきたiPhoneのバッテリーの状況です。
最大容量が100%に戻り、「ピークパフォーマンス」が適用された状態に戻りました。
Apple正規修理サービスでバッテリー交換をした感想
今回、街の修理店で交換すればもっと割安なコストで、「データバックアップ不要」「代替機不要」など様々なメリットがあるのにも関わらず、あえて純正修理サービスを利用してみたわけですが、バッテリー交換料金が値下げになった事もあり、以前の8,800円よりもコスト面での負担は軽くなったと言えます。
毎年…と言う事では困りますが、数年に1度であれば5,400円の支出であれば何とか許容範囲と感じました。
ただ困ったのは「手間」と「空白」でした。
「手間」は、データバックアップや代替機の用意も事もありますし、持込み修理の場合にはストアまで出向かなければなりません。勤め人の場合は、なかなか平日に時間が取りずらい事を勘案すると、簡単に「持込み修理」を選択しにくい部分があります。
配送修理に関しては、バックアップや代替機の用意などの「手間」がかかる上、1週間近くも端末を利用できない「空白」の時間が生じます。
メイン端末を交換修理に出した場合には、1週間の空白は痛いと思います。
代替機を用意するのも面倒ですし、代替機にデータを移行するのもどこまですればいいのか、1週間後にはまた戻す事を考えると、全てを移行する気になりませんでした。
筆者の場合は、サブ機の交換修理だったのでそこまで深刻ではありませんでしたが、メイン端末を修理に出す場合には、純正修理はコスト面だけでなく、様々な部分で負担となるように思います。
Apple Care+の加入は必要か
難しい問題です。
今回はバッテリー交換でしたので、Apple Care+による保証がなくても5,400円という比較的リーズナブルなコストで済みましたが、故障・不具合の箇所がもっと違う部分の場合には、とんでもない金額になるケースもあります。
また、Apple Care+に加入していれば、前述の「空白」の問題も含めてクリアできる方法として「エクスプレス交換」という制度を利用する事ができますが、必ずしもApple Care+が必要になるような大きな故障や破損が起こると決まっている訳でもないので、加入・非加入は難しい判断です。
参考記事:エクスプレス交換の方法と注意点とは
【個人的見解】
最終的には、ユーザーがどう考えるかによって異なる…といった玉虫色の結論となってしまいますが、筆者の個人的な意見を言えば、iPhoneはそもそも高価なスマホですので、そう手荒く扱われる事なく大切に扱われるとすれば、その端末を利用する2~4年ほどの間に、どれだけ深刻な故障や破損が生じるか…と考えると、自分にはApple Care+は不要ではないかと考えます。
実際、iPhone4sからiPhoneを使い続けてきて、バッテリー劣化による交換修理以外で修理サービスを利用した事がありませんし、Apple Care+に加入しておけば良かったと感じる場面もありませんでした。
もちろん、「無駄になったとしてもそれが保証というものだ」と言う考え方もありますので、結局のところ、必要か不要かは個人的な判断に依るという結果は致し方ないのかもしれません。