【2019年5月最新版】ソフトバンク回線格安SIMの主要6社を徹底比較!

[公開日:2019/05/16]
筆者: 新宿本店

【2019年5月最新版】ソフトバンク回線格安SIMの主要6社を徹底比較! 

 

 

今でこそ、NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクの大手キャリア3社と、3キャリアの回線を使用した格安通信サービスが複数存在し、ユーザーは、キャリア回線や料金、サービス内容など、個々の好みや事情に合わせて通信会社を選べます。

 

しかし、ほんの数年遡るだけで、選択肢は大手キャリア3社しかない時代が長く続きましたし、格安通信サービス自体が少なく、選択の余地がなかった時代もあまり遠くはありません。

 

特に、Softbank回線を使用した格安SIM(MVNO)は長らく登場せず、ソフトバンク自身が運営する「Y! mobile」が唯一のSoftbank回線を使用した「格安通信サービス」でした。

今回は、格安SIMのうち、Softbank回線を使ったサービスに焦点を当てて、格安通信サービス各社の料金や使い勝手などを比較してみたいと思います。

 

現在のMVNOは約1000社、Softbank系は12社

2019年3月29日に公表された総務省の「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表」データによれば、平成30年度第3四半期(12月末)の国内のMVNO(※)数は、1次・2次合わせて983社で、1,000社に迫る数の事業者が格安通信サービスを展開しています。

 

※ MVNO=Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)とは、自前の通信回線を敷設・保有せず、大手キャリアから回線を借り受けて通信サービスを提供する事業者です。1次MVNOとは、大手キャリアと直接契約を結び通信回線を借り受けている事業者で、2次MVNOとは、大手キャリアとの間に1次MVNOを挟んで、MVNO事業のノウハウや技術提供を受けて運営される事業者を指します。

 

Y! mobileは国内唯一の「サブブランド」で、この統計には含まれません。

サブブランドとは、大手キャリア自身が自社内に持つ「第2番目の通信ブランド」のことで、ソフトバンク社がSoftbankに次ぐブランド(サブブランド)として運営しているのがY! mobileです。

Y! mobileはMVNOではなく、自社回線を保有する「MNO」です。

Y! mobile以外の格安通信サービスは、全てMVNOとなります。

 

本項では、便宜上、全てのMVNOとサブブランドY! mobileを合わせて、「格安通信サービス」「格安SIM」と呼称しています。

 

Softbank回線を使用する格安SIMは僅か12社

 

1000社近くもある格安通信サービスのうち、Softbank回線を使用するのはY! mobileを含めても僅か12社です。

 

さらに、その12社の中には、例えるなら、A社が製造したクルマをB社が自社の車名やエンブレムを付けて販売する「OEM」のような、他社通信サービスを名称を変えて自社サービスとして販売しているケースもありますし、一般のユーザー向けでないサービスもあるため、本稿ではSoftbank回線格安SIMを主要な6社に絞ってご紹介してゆきます。

 

ちなみに、au回線を使用する格安通信サービスは11社ですので、残りの960社はドコモ回線を使用するMVNOと言う事になります。NTTドコモは自社グループのMVNOを持ちませんので、ドコモ回線を使用するMVNOは全て大手キャリアとは資本関係のない、いわゆる独立系MVNOです。

 

 

日本で最初のSoftbank系MVNOは「HITスマホ」

実は、2016年以前にはSoftbank回線を使用するMVNOは存在しませんでした。

 

ソフトバンクは、早くから格安通信サービスに関心を持っており、他社に先駆けて自社内に「Y! mobile」ブランドで格安通信ブランドを立ち上げていたため、他社への回線開始出しには非常に消極的でした。

 

日本初のSoftbank回線MVNOは、「飛騨高山ケーブルネットワーク」が運営する「HITスマホ」が2016年8月にサービス開始となりましたが、このサービスは、ケーブルテレビのエリア内(岐阜県高山地域)向けの地域限定のサービスでした。

 

日本初の汎用Softbank回線MVNOは日本通信「b-mobile S」

初の汎用MVNOとしてSoftbank回線サービスを開始したのは日本通信株式会社で、2017年3月に

b-mobile S」のブランドで、データ専用プラン「開幕SIM」としてサービスを開始しました。

同時に、同等サービスがU-mobileにも貸与され「U-mobile S」としてサービス開始となりました。

 

この時に取り交わされた日本通信とソフトバンクの「過去にSoftbankで販売された4GLTEiPhoneは全てSIMロック解除なしに利用できる」という取り決めが、後のSoftbank回線MVNOサービスに引き継がれており、Softbank回線MVNOの使い勝手の良さに繋がっています。

 

Softbank回線格安SIMの料金比較

こちらは、Softbank回線を使用する格安SIM主要6社の、データ専用プランの料金比較表で、「1GB未満」「2GB以下」「3GB」「7GB以下」「10GB」「15GB以下」「20GB」「30GB」で区切り、区切り内の最安プランを示しています。

 

日本通信b-mobile Sのみ「従量課金制」で、他は全て「固定課金制」です。

 

従量課金制とは、月間に使用したデータ容量に応じてプラン料金が変動するプランで、固定課金制とは、月間のデータ容量と料金が固定化されており、データを使い切っても残しても料金は同じです(データの繰越しあり)。

 

Y! mobileは、「スターターキット」からのみ申し込み可能な「データSIMプラン」の料金を掲載しています。

 

また、Y! mobile・LINEモバイル・b-mobile SはSMS機能付き、mineoは別途SMS (+180円)を加算後料金、nuroモバイル・QT mobileはSMS機能は使用できないため料金に含まれていません。

 

 

各社の料金を比較して見ると、従量課金制を採用する日本通信の「190 Pad SIM」の料金が圧倒的に割安である事がわかります。1GBあたり500円が最安相場と考えられ、昨今のMVNOは料金単価アップのため、1GBクラスの小容量プランを廃止する傾向もあって、1GBで500円を下回る料金設定は非常に割安感があります。

 

また、20GB以上の大容量プランを提供しているのは、mineoとQT mobileのみで、Softbank回線で大容量を希望する場合には他に選択肢がありません。

 

 

こちらは、Softbank回線を使用する格安SIM主要6社の、通話機能付きプランの料金比較表で、「1GB以下」「3GB以下」「7GB以下」「10GB以下」「15GB以下」「21GB以下」「30GB」で区切り、区切り内の最安プランを示しています。

 

この表内のY! mobileの料金は特殊な表示となっています。

Y! mobileの料金は、2年契約の初年に月額1,000円の割引があり、通話サービス「10分かけ放題」の料金込みとなっているため、2年間の月額平均料金から、通話サービス相当額850円を差し引いた、他社とほぼ同条件で比較できる設定に換算してあります。

 

1GB以下の料金では、データ専用プラン同様、日本通信の「990ジャストフィットSIM」がダントツの割安料金となっており、6GB以上でも最安値となっています。他の容量でも常に割安な料金が設定されています。

 

特筆すべきは、3GBクラス・10GBクラス・20GBクラスでは、意外にも料金の割高感のあるY! mobileが最安料金となっている事です。「10分かけ放題」(850円相当と計算)を外した場合の、同条件での料金比較では、決して他社MVNOに料金で負けてはいない事が分かります。

 

30GBクラスは、mineoとQT mobileのみの提供となり、Softbank回線限定の場合、他に選択肢はありません。

 

Softbank回線格安SIM事業者紹介

上記、料金の項で比較したSoftbank回線を使用するMVNO、主要6社をご紹介します。

 

■Y! mobile

Y! mobileは、PHSサービスの「ウィルコム」と、携帯電話サービスの「イー・アクセス」が合併後、社名変更し「ワイモバイル」なり、サービス名を「Y! mobile」としました。さらに「ワイモバイル」はソフトバンク・モバイル(減ソフトバンク)に吸収合併されました。

現在は「ワイモバイル」としての企業は存在せず、ソフトバンクの社内に1つの通信ブランドとして「Y!mobile」の名を留め、大手キャリアの第1ブランド「Softbank」に対して、格安通信サービス部門を担う第2ブランド(サブブランド)として「Y! mobile」が機能しています。

 

そのため、良くも悪くも大手キャリア的な面が多々あり、通信の高品質さや通信速度についてはその良さが出た部分であり、速度制限時の速度が128kbpsしか出ないのは悪く出た面と言えます。

余ったデータの翌月繰り越しができない、低速モードがない等のデメリットも抱えながらも、通信品質の高さや国内正規版iPhone販売などで、ダントツの契約件数を抱える格安通信サービスのトップブランドです。

 

上記料金比較でも分かる通り、割高料金のイメージが強いY! mobileですが、実は「10分かけ放題」を外した「素」の料金では、他のSoftbank系MVNOの料金と同等か、割安なケースも見受けられます。

 

この料金で、格安SIM随一の通信速度を併せて勘案すれば、選択対象として外せない格安通信サービスと言えます。

 

■LINEモバイル

LINEモバイルは、2016年9月にLINEの100%子会社である「LINEモバイル」が提供を開始したNTTドコモ回線を使ったMVNOサービスですが、2018年3月には、第三者割当増資をソフトバンクが引き受ける形で51%の株式を取得、ソフトバンク傘下の通信会社となりました。

そのため、サービス開始直後は「MVNO最速」を掲げ、通信速度テストキャンペーン等を展開しましたが、キャンペーンが終了したサービス開始半年後ぐらいから徐々に通信速度の低下を見せており、決して「速いSIM」とは言えない状況になっています。

ただし、ピーク時でも1Mbpsを割込む事はほとんどないので、最低限の実用性は維持していると言えます。

 

驚いた事に2019年4月には、ソフトバンク傘下の企業でありながらau回線MVNOサービスを追加し、トリプル・キャリア(※1)となりました。au回線サービス開始1か月未満の現時点では、非常に高速で快適な通信速度が計測されていますが、いつまで良好な速度が維持できるかは未知数です。

 

LINEモバイルの使い勝手の良さは、何と言ってもLINEの各サービスとの連携です。

LINEをはじめとする各種SNSの通信料が無料となる「データフリー」サービス(無料)や、LINEトークを利用したサポートや、LINEアプリからマイページへログインできる等、他社にはないLINE絡みの利便性は、この通信サービスの大きな魅力です。

 

■日本通信 b-mobile S

日本通信は、汎用のSoftbank回線MVNOサービスを初めて手掛けたMVNOである事は前述の通りですが、実は、日本通信は国内初のMVNO(仮想移動体通信事業者)でもあります。

日本で最初に通信回線を借り受けて通信サービスを提供するという「MVNO事業」を最初に商業化したという点で、現在、1000社にも迫ろうかというMVNO全ての「始まり」の企業でもあります。

 

実際の日本通信のMVNOサービスは、ここ数年前までは正直あまり評判の芳しいものではありませんでした。芳しいどころか、通信速度の遅い「使えないSIM」の代名詞のようなイメージが定着してしまっていましたが、それを打破したのが、初めてのSoftbank回線MVNOサービス「b-mobile S」でした。

 

当初、「b-mobile S」の「S」はSoftbank回線を表すのだろうと言われていましたが、後に「b-mobile S」の通話プラン「990ジャストフィットSIM」にドコモ回線が加わり、「S」が何を意味するのか不明となっています。

 

開業当時から、Y!mobileやUQ mobileなどのサブブランドや大手グループMVNOには及ばないものの、独立系MVNOとしては良好な通信速度を現在でも維持しており、利用したデータ容量に応じた従量課金制プランの実用性の高さと相まって、地味な存在ながら「隠れたお勧めSIM」と言われています。

 

また、データ専用SIM「190Pad SIM」は、100MBまでの月額利用料が190円という思い切った料金設定と、割安な段階制料金(従量課金制)で、知る人ぞ知る「速くて安いSIM」として有名となっています。

 

さらに、通話プランの「990ジャストフィットSIM」の最低利用期間が4か月間、「START SIM」では、最低利用期間なし、違約金なしが特徴となっていますし、「5分かけ放題」が月額500円など、他社とは少し違う特徴を持つユニークな通信会社です。

 

■mineo

mineo(マイネオ)は、関西電力が運営するインターネット通信会社「ケイ・オプティコム」が運営するMVNOサービスで、大手キャリア3社のいずれとも資本関係のない独立系MVNOで、NTTドコモ・au・Softbankの3社の回線全てを取扱うトリプル・キャリアです。

 

多くの複数回線を取扱うMVNOがドコモ回線からサービス提供を開始する中、mineoはau回線からMVNO事業を開始した変わり種でもあります。

 

mineoは、運営とユーザーの距離が近い事でも知られ、ユーザー・コミュニティである「マイネ王」はユーザーがmineoを選ぶ理由にすらなっている有名な存在で、パケット互助会とも言える「フリータンク」は他社にはないユニークなサービスで人気を博しています。言ってみれば「居心地の良いMVNO」と言えます。

 

反面、人気MVNOの宿命とも言える「ピーク時間帯の速度低下」は深刻で、昼12時台には実用速度の目安と言われる1Mbpsは言うに及ばず、実用性を失う程の速度まで低下する事もあり、通信速度重視のユーザーが他社へ乗り換えてしまう事も少なからず起きています。

速度低下は3キャリア回線いずれでも発生しており、動画視聴が多いなど、速度重視のユーザーは選択する際には充分な吟味が必要です。

 

さらにmineoは、事前の告知なく「通信の最適化」(画像の圧縮等による劣化)を実施する等、ユーザー本位の姿勢が疑われるような出来事もあり、mineoから離れたユーザーもいたようです。

 

■nuroモバイル

nuroモバイルはソニーネットワークコミュニケーションズ(SO-net)が運営する格安通信サービスで、世界最速インターネットサービス名称の「NURO」(ニューロ)を冠したMVNOです。

So-netは、その技術力の高さで他社のMVNO事業を支援するMVNE事業も行っており、傘下のnuroモバイルの他にも、LINEモバイルやQTモバイルなどに回線と運営ノウハウを提供しています。

 

一時は「遅いSIM」の代名詞のように言われた時期がありましたが、ここ数年は速度低下が起こると帯域を増強して速度の回復を図る等、「回線放置」のイメージは消えつつあります。

 

しかし、2GB以降1GB刻みのきめ細かい料金体系を廃止し、2GB・7GB・13GBに新に「お試しプラン」を加えた4種類のプランに統廃合された事で、ユーザーが自分にピッタリのプランを見つける…という意味ではマイナス方向の改定を行っています。

 

nuroモバイルには、翌月に付与される(はずの)データ容量を前借りできる「データ前借り」などのユニークなサービスもありますが、イマイチ、選択候補の筆頭に立つと言った料金やサービス面での大きな特徴に欠ける面があります。

 

■QTmobile

QTmobileは、九州を地盤とする九州電力が運営するインターネットサービス「QTネット」が提供するMVNOサービスで、NTTドコモ・au(KDDI)・Softbankの3キャリアの全ての回線サービスを提供する、国内初(※)の「トリプル・キャリア」です。

 

※mineoが「初のトリプル・キャリア」を謳っていますが、実際に、Softbank回線サービスの提供を開始し、3社回線の提供を開始したのはQTmobileの方が先でした。mineoの言い分は、QTmobileの回線はMVNEからの仕入れで、キャリアと直接接続しているのはmineoが「初」だという事です。ユーザーの目から見ると、キャリアと直接接続しているかどうかより、実際に3キャリアのサービスを開始したのはQTmobileなのですが。mineoは、au回線をQTに卸しているMVNEでもありますし、同じ電力会社系のMVNOですので、立場が強いのでしょうか…。

 

ドコモ回線はIIJ、au回線はmineo、Softbank回線はSo-netを経由しているため、個々の通信品質や特徴はMVNE各社のそれに準じます。

 

九州地盤の通信会社ですが、日本全国から利用可能です。

 

■その他のSoftbank回線MVNO

上記主要6社以外にも、Softbank回線を使用した通信サービスを提供するMVNOが何社かあります。ので、まとめて簡単にご紹介しておきます。

 

【U-mobile】

U-mobileはUSEN(有線放送)の「U-Next」が運営するMVNOで、Softbank回線を利用したプランに「U-mobile S」「U-mobile Super」があります。

「U-mobile S」は、日本通信「b-mobile S」、「U-mobile Super」は、Y!mobileの「スマホプラン」のU-mobile版です。

 

【H.I.Sモバイル】

H.I.Sモバイルは、旅行会社「株式会社エイチ・アイ・エス」と、日本通信の共同事業で、サービス内容はほぼb-mobile Sに準じます。

 

【ANA Phone】

「ANA Phone 」は、ANA(全日空=全日本空輸株式会社)が展開するSoftbank回線通信サービスです。

ANAの利用者向けのサービスで、利用額に応じて「ANAマイル」が貯まります。

2種類の端末とのセット販売のみです。

 

【HITスマホ】

「飛騨高山ケーブルネットワーク」の通信サービスで、国内初のSoftbank回線MVNOサービスでした。

飛騨高山地方限定のケーブルテレビ利用者向けのサービスです。

 

【リペアSIM】

iPhone修理店が運営するSoftbank回線MVNOサービスです。

料金は比較的割安ですが、サービス内容は未知数で、店舗の修理サービス利用者向けのサービスと言えます。

 

【スマモバ】

スマホ販売店が運営するSoftbank回線MVNOサービスです。

料金は他社よりも割高ですし、契約できるのはスマモバ取扱店のみで、あまり選択肢に入る事はないと思われます。

また、2017年6月に、「解約できない」「問合せへの対応が遅い」等について行政指導を受けていますが、現在はサービス改善が行われたと言われています。

 

社内での回線切換えについて

サブブランドY!mobileを除く主要5社のうち、LINEモバイルとmineoについては、取り扱う3キャリアの回線を社内で切り替える事が可能です。

 

手数料はかかりますが、他社回線を使用したい場合でも、他社へMNPで乗換える必要はなく、自社内で月ごとに回線を切り替えて利用する事ができます。

 

LINEモバイルとmineo以外は、自社内での回線切換えは不可、社内MNPも不可となっており、他社回線を使いたい場合には、他社へのMNPか、一旦解約(番号消滅)の上、再契約となります。

 

 

Softbank回線格安SIMの料金が高めなのは「接続料」のせい? 

MVNO各社は、キャリアの回線を借り受けるための料金=「接続料」を支払わなければなりませんが、ドコモ・au・Softbankの3社で「接続料」の金額は全く異なります。

 

 

こちらは、総務省「平成30年版 情報通信白書」にまとめられた、通信大手3社の「接続料」(回線の貸出賃料)の2013年~2016年の推移です。

 

年々「接続料」は値下がりを続けていますが、決して「割安」と言える金額ではありません。

 

約1,000社にも及ぶMVNOの8割近くがNTTドコモ回線でのサービス提供である事は、ドコモ回線の「接続料」が最も割安である事と無関係ではないはずですし、Softbank自身の回線を外に出さない姿勢もありますが、「接続料」的にもSoftbank回線サービスの普及が最も遅かったのは金額的な事由による側面が大きいはずです。

 

2016年度に、KDDIとSoftbankの「接続料」がほぼ同等程度にまでなっていますが、NTTドコモとはまだ大きな開きがあり、Softbank回線のプラン料金が割高な原因となっていると言えそうです。

 

Softbank回線格安SIMで利用可能なiPhone

 

 

MVNO各社が、「接続料」が最も割高なSoftbank回線サービスを加えて、複数の回線でのサービスを展開するのには理由があります。

 

現在は、大手キャリアからMVNOに乗り換える際に、スマートフォンを買い換えずに、使用している端末をそのままMVNOでも利用したいと考えるユーザーが増えています。

 

しかし、大手キャリアは自社のユーザーを他社に奪われないために、自社で販売したスマホ端末をロックして、他社の回線で利用できなくする「SIMロック」を施しているために、そのままでは、ドコモで購入した端末はドコモ回線のMVNO、Softbankで購入した端末はSoftbank回線のMVNOでしか利用できません。

 

購入から100日以上経過した端末は、例え分割支払い途中であっても「SIMロック解除」して、どの回線でも利用できるようにする事が可能ですが、自分でWEB上で手続きするのは無料ですが面倒ですし、ショップでは余計な手数料3,000円が必要なため、ユーザーはできれば「SIMロック解除」したくないのが本年です。

 

そこで、MVNOは、ドコモ端末→ドコモ回線、au端末→au回線、Softbank端末→Softbank回線と、SIMロック解除しなくてもりようできるように、複数の回線サービスを取扱うようになっている訳です。

 

 

このように、Softbankで購入した端末であれば、Softbank回線MVNOならSIMロック解除なしにそのまま利用できる訳です。

同様に、ドコモ版はドコモ回線で、au版はau回線でSIMロック解除不要で利用でき、それは、ユーザーの負担軽減であり、ユーザーサービスに繋がります。

 

全てのキャリアの回線を取扱うマルチ・キャリアであれば、ユーザーは端末の利用可否を無視して、プランやサービス内容だけでMVNOを選べるというわけです。

 

Y! mobileはSIMロック解除必須

これは、Y! mobileの最大の弱点とも言える重大なデメリットなのですが、実は、同じSoftbank社内の通信ブランドに過ぎないのに、Softbank→Y!mobileの変更は、プラン変更ではなく「MNP転出→転入」の手続きとなる上、Softbankで購入したスマホ(iPhoneも含む)は「SIMロック解除」が必須となります。

 

これは元々、携帯電話会社として自社回線を保有する別会社が、Softbankに吸収され、「Y!mobile」のブランド名だけ残った結果、こうした不都合が生じています。

つまり、現在はSoftbank内の通信ブランドに過ぎないが、元々は自社回線を保有するMNOだった事が「仇」となり、おなじ社内のブランド変更にも関わらず、「MNP転出手数料」をSoftbankに支払い、「新規加入初期費用」をY!mobileに支払うわけですが、支払う先は、いずれもSoftbankなのです。

 

さらに、SoftbankからY!mobileへの乗換え時には、割引などに「不利」な条件が付けられていますし、Softbank購入のスマホがSIMロック解除なしには利用できない等、正直、SoftbankからY!mobileへの乗換えはお勧めできない面が多々あります。

 

iPhone5s/6/6PlusはMVNOでは使えるがY!mobileで使えない

現行ルールでは、SIMロック解除が可能な端末は、2015年5月以降に発売された機種に限られ、2015年4月までに発売された端末はSIMロック解除の対象外となります。

 

このことは、不思議な歪を生み出しています。

 

Softbank回線MVNOでは、全ての4GLTE対応iPhoneがSIMロック解除不要で利用できるので、2015年4月までに発売されたiPhone5sや、iPhone6/6PlusでもSIMロック解除なしに利用可能です。

 

これに対してY!mobileで他社iPhoneを利用するには、Sftbank版も含め全てのiPhoneにSIMロック解除が必要なため、SIMロック解除対象外のiPhone 5s・6/6Plusは利用できません。

 

以上のように、外部のMVNOの方が利用可能端末の選択肢が広いという不思議な歪を生み出しており、同じ社内のブランドであるにも関わらず、ユーザーに100%SIMロック解除の手間を負わせるSoftbankとY!mobileのやり方には少々疑問を感じざるを得ません。

 

Softbank格安SIM利用上の注意・まとめ

今回は、Softbank回線を使用した格安SIMについてご紹介しました。

日本通信が開いたSoftbank回線MVNOサービスは、2019年5月現在で、国内唯一のサブブランドであるY!mobileを含め、大小合わせて12サービスが提供されています。

 

うち、6サービスは規模が小さい、地域限定、顧客向けサービスという事で除外すると、全ての回線をMVNE経由で賄っているQTmobileを含めても6社しか選択肢がありません。

 

その6社からサブブランドであるY!mobileを除いたMVNOの5社のうち、4社が3キャリア全ての回線を取扱う「トリプル・キャリア」、1社が2キャリアの回線を取扱う「マルチ・キャリア」である事は、MVNOへの回線提供が最も遅かったSoftbank回線格安SIMの特徴と言えるかもしれません。

 

iPhoneに関して言えば、Softbank回線MVNOは、4GLTE対応端末であれば機種を選ばず、全てSIMロック解除不要で利用できるのは大きなメリットです(auは一部機種でau版iPhoneでもSIMロック解除が必要)。

 

しかし、逆にY!mobileは、今はSoftbank内の1ブランドに過ぎませんが、元々は自社回線を保有する別会社が吸収合併された経緯があり、その事から、同じSoftbank社内のブランド移動にも関わらず、MNP手続き・手数料が必要であり、iPhoneもSIMロック解除が必須など、MVNOより使い勝手で劣る部分があるため注意が必要です。

通信品質や料金プラン、大手キャリア運営の安定性・安心感など、メリットも少なくないY!mobileですが、その成り立ちの複雑さから、他社にはない「面倒臭さ」があるのも事実です。

同じSoftbankの兄弟ブランドでありながら、融通の利かない制度は頂けません。

その点では、全てのSoftbank版iPhoneをSIMロック解除不要で利用可能なSoftbank回線MVNOに大きなアドバンテージがあると言えます。

通信品質はどうしても大手キャリア並みとはゆきませんが、料金の安さや、他社回線への乗換えを含め、Softbank回線MVNOをお勧めしたいと思います。

 

 

参考URL:総務省総務省

 

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